プーチン大統領からの贈り物、シベリア猫「ミール」の生涯:秋田県知事との温かい10年を偲ぶ

秋田県民にとって、そして日露友好の象徴として愛されたシベリア猫「ミール」が、2024年12月3日、12歳と10ヶ月の生涯を閉じました。プーチン大統領からの贈り物として秋田県にやってきたミールは、佐竹敬久知事の家族の一員として、温かい日々を過ごしました。この記事では、ミールとの思い出を語った佐竹知事へのインタビューを交えながら、その穏やかな生涯を振り返ります。

東日本大震災をきっかけに生まれた絆

2011年の東日本大震災に対するロシアからの支援への感謝として、秋田県からプーチン大統領へ秋田犬「ゆめ」が贈られました。その返礼として、2012年にミールは秋田県へやってきました。「平和」を意味するロシア語にちなんで名付けられたミールは、愛猫家の佐竹知事の愛情深い保護のもと、新たな生活を始めました。

alt=佐竹敬久秋田県知事がシベリア猫「ミール」を抱く姿alt=佐竹敬久秋田県知事がシベリア猫「ミール」を抱く姿

臆病で優しい性格:知事との心温まるエピソード

佐竹知事は、ミールとの思い出を記者会見で語りました。臆病な性格で、動物愛護センターのキャットタワーに登ろうとしなかったエピソードや、黒いスーツを着た人を怖がっていたことなど、ミールのかわいらしい一面が明かされました。

「ミールは、本当に優しい猫でした。特に夏頃から体調を崩してからは、妻のベッドの上で寝るようになって。私のベッドには来なかったんですよ(笑)」と、佐竹知事は少し寂しそうに、それでいて温かい笑顔で語りました。

ミールと佐竹知事:日露友好の象徴

ミールは、単なるペットではなく、日露友好の象徴でもありました。 ペットフード協会の田中一郎氏(仮名)は、「ペットを通じた交流は、国境を越えた相互理解を深める上で非常に重要な役割を果たします。ミールは、日露関係の新たな一面を象徴する存在だったと言えるでしょう。」と述べています。

alt=プーチン大統領に贈られた秋田犬「ゆめ」alt=プーチン大統領に贈られた秋田犬「ゆめ」

永遠の別れ:県民からの惜しむ声

ミールの訃報を受け、秋田県民からは多くの惜しむ声が寄せられました。秋田県庁のホームページに掲載されたミールの動画には、追悼のコメントが多数寄せられています。10年という歳月を秋田で過ごしたミールは、県民にとってかけがえのない存在となっていました。

安らかに眠る「平和の使者」

プーチン大統領からの贈り物として、日露友好の象徴として、そして佐竹知事の愛猫として、ミールは多くの人々に愛されました。その穏やかな生涯は、私たちの心にいつまでも刻まれることでしょう。 「平和」を意味する名を持つミールは、天国で安らかに眠っていることでしょう。