「M-1グランプリ2024」の興奮冷めやらぬ中、もう一つのお笑い賞レース「女芸人No.1決定戦 THE W」の苦境が浮き彫りとなっています。令和ロマンのM-1史上初二連覇という快挙に沸く一方で、THE Wは史上最低視聴率を記録。その明暗はどこから来るのでしょうか?
M-1の輝きとTHE Wの影
M-1グランプリは、漫才日本一を決める大会として、優勝者にはブレイクの道が約束され、決勝進出者でさえも知名度が飛躍的に向上するほどの影響力を持つ、まさに日本最高峰のお笑い賞レースです。審査員の発表だけでも大きな話題となるほど、国民的関心を集めています。
対照的に、同じ12月に開催されたTHE Wは、視聴率低迷にあえいでいます。第8回を迎えた今年は、にぼしいわしが4度目の挑戦で悲願の優勝を飾りましたが、平均世帯視聴率は6.6%と番組史上最低を記録。この結果に、日本テレビ局内でも番組の将来を危ぶむ声が上がっているようです。
にぼしいわし優勝
視聴率低迷の背景にあるもの
M-1グランプリ2024の関東地区平均世帯視聴率18.0%、関西地区25.5%と比較すると、THE Wの視聴率の低さが際立ちます。もちろん、現代では視聴方法の多様化により、視聴率だけで番組の価値を判断することはできません。しかし、この数字の差は無視できないでしょう。
火曜日のゴールデンタイムという放送枠も、視聴率獲得には不利に働いた可能性があります。週末と比較して平日の視聴率が低いのは周知の事実です。しかし、過去2年間、土曜日に放送された際も視聴率は振るわず、この状況が平日放送への変更につながったという見方もあります。
番宣不足という根本的な問題
THE Wの苦戦には、番組側の宣伝不足という根本的な問題も指摘されています。M-1をはじめとする他局の賞レースは、放送日まで積極的に番宣活動を行っていますが、THE Wは宣伝活動に消極的です。日本テレビの番組内で宣伝を差し込むことも可能ですが、THE W側からの要請がないという現状です。
THE W 2024
女性限定という枠組みの功罪
女性芸人に限定した賞レースという斬新なコンセプトでスタートしたTHE W。しかし、その枠組み自体が、番組の成長を阻害している可能性も否定できません。
「女性限定」という枠組みは、女性芸人にスポットライトを当てるという点では意義深いですが、視聴者層を限定してしまうリスクも抱えています。また、一部では「女性芸人だから」という色眼鏡で見られることへの懸念の声も上がっています。
THE Wの未来はどこへ
視聴率低迷、番宣不足、そして番組のコンセプトに対する疑問。THE Wは今、大きな岐路に立たされています。番組の存続のためには、抜本的な改革が必要なのかもしれません。女性お笑い界の活性化という理念を維持しつつ、どのようにして幅広い視聴者層の支持を獲得していくのか、今後の展開が注目されます。