チェジュ航空機が務安国際空港で胴体着陸後、コンクリート構造物に衝突した事故。機長の最期の姿をとらえた写真が公開され、ネット上では機長が最後まで被害軽減に尽力したと称賛の声が上がっています。しかし、事故原因解明のカギとなるブラックボックスには、衝突前の重要な4分間の記録が残されていませんでした。一体、何が起こったのでしょうか?jp24h.comでは、この事故の真相に迫ります。
ブラックボックスに記録がない謎の4分間
韓国国土交通部航空鉄道事故調査委員会によると、事故機のフライトレコーダーとボイスレコーダーをアメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)で分析した結果、ローカライザーへの衝突約4分前から両方の装置の記録が中断されていたことが判明しました。事故機は2023年12月29日午前9時3分ごろ、務安空港滑走路終端のローカライザーに衝突。その4分前、午前8時59分には機長がメーデーを宣言し、着陸復行を通知していました。まさにこの重要な4分間の記録が失われているのです。
alt
事故調査委員会は、記録が中断された原因を調査するとともに、管制記録、事故当時の映像、現場の残骸などを分析し、事故の瞬間を再構成するとしています。航空事故調査の専門家、田中一郎氏(仮名)は「ブラックボックスの記録は重要だが、他の証拠も組み合わせることで真相解明が可能だ」と述べています。
バードストライクとメーデー宣言:事故までの経緯
事故当日、務安空港の管制官は午前8時57分に事故機にバードストライクを警告。2分後の午前8時59分に機長はメーデーを宣言し、着陸復行を通知しました。しかし、その直後に記録が途絶え、事故に至ったのです。バードストライクが事故に直接関係しているのか、他に要因があったのか、今後の調査が待たれます。
フライトレコーダーとボイスレコーダーの分析状況
フライトレコーダーはコネクターが紛失していたため韓国国内での読み出しが困難で、ボイスレコーダーは信頼性確保のため、NTSBに送られました。当初はフライトレコーダーのみが送られたとされていましたが、後にボイスレコーダーも一緒に送られたことが明らかになりました。調査官立ち会いの下、データの読み出しと分析が行われ、1月13日に帰国、韓国での調査を継続する予定です。
透明性の高い事故調査への期待
調査委員会は、現場調査の完了時期、公聴会開催などを検討し、遺族らに可能な範囲で情報を提供する方針です。「公正で透明な事故調査に尽力する」と強調しています。 jp24h.comでも引き続き、この事故の最新情報をお届けしていきます。