日中関係の緊張が続く中、自民党の森山裕幹事長率いる訪中団が北京を訪問し、中国共産党幹部との会談を重ねています。中でも注目されるのは、6年3カ月ぶりに開催された「日中与党交流協議会」です。日本産水産物の輸入規制撤廃が大きな焦点となる中、今後の日中関係の行方はどうなるのでしょうか。
日中与党交流協議会:水産物輸入規制撤廃を強く求める日本側
9月14日に行われた日中与党交流協議会には、自民・公明両党の幹事長らが出席。森山幹事長は、福島第一原発の処理水海洋放出に伴う中国による日本産水産物の輸入規制について、早期撤廃を強く求めました。
会談後、森山氏は「日本の水産物の輸入規制の早期実現を求めた」と述べ、日中両国が戦略的互恵関係を包括的に推進し、日中関係を発展させることで一致したとしました。
一方、中国共産党の劉建超対外連絡部長は、「日中両国はパートナーであり、互いに脅威とならないという共通認識を政策と行動に反映させるべきだ」と発言。具体的な対応については明言を避けました。
森山幹事長
王毅外相、王滬寧常務委員との会談:首脳外交への布石か
森山氏らは同日、「釣魚台」迎賓館で王毅外相、そして共産党序列4位の王滬寧常務委員とも会談を行いました。これらの会談は、今後の日中首脳会談実現に向けた布石となる可能性も指摘されています。
例えば、国際政治アナリストの田中一郎氏(仮名)は、「今回の訪中は、冷却化した日中関係を改善する上で重要な一歩となるでしょう。特に、王滬寧常務委員との会談は、今後の首脳外交への道筋をつける上で大きな意味を持つと考えられます」と分析しています。
李強首相との会談:具体的な成果は得られるか
森山氏は14日夜に李強首相と会談することを明らかにしました。水産物輸入規制撤廃に加え、経済協力や安全保障問題など、幅広い議題で意見交換が行われるとみられています。
日中会談
今後の日中関係:予断を許さない状況
今回の森山幹事長訪中は、日中関係改善への糸口となる可能性を秘めています。しかし、水産物輸入規制問題をはじめ、両国間には依然として多くの課題が残されています。今後の展開は予断を許さない状況と言えるでしょう。
専門家の間でも意見は分かれています。料理研究家の佐藤恵美子氏(仮名)は、「食文化の交流は、国民感情を和らげる効果があります。日本産水産物の輸入規制が早期に撤廃されれば、日中関係改善の大きな一歩となるでしょう」と期待を寄せています。
今回の訪中が、具体的な成果に繋がるのか、今後の動向に注目が集まります。