銀行の貸金庫は安全の象徴。しかし、その信頼を揺るがす事件が発生しました。元三菱UFJ銀行員の今村由香理容疑者（46）が、顧客の貸金庫から総額17億円相当の現金や金塊を盗んだとして、窃盗容疑で東京地検に送検されました。本記事では、この衝撃的な事件の真相に迫ります。
異動を目前に控えた焦りが犯行の動機か？
捜査関係者によると、今村容疑者は「異動が近づいていると感じ、以前に別の顧客の貸金庫から盗んだ現金の補填を急いでいた」と供述しています。つまり、過去の盗難を隠蔽するために、さらなる犯行に及んだ可能性が浮上しています。まるで雪だるま式に膨らむ借金を返済するために、新たな借金を重ねる多重債務者のような状況だったのかもしれません。
今村由香理容疑者送検時の様子
ランダムに開けた貸金庫から金塊を発見？
昨年9月下旬、練馬支店の貸金庫から顧客2人の金塊約20キロ（約2億6000万円相当）が盗まれました。今村容疑者は「貸金庫をランダムに開けて見つけた。大きな金を作れると思った」と供述。この供述からは、計画的な犯行というよりも、行き当たりばったりの行動だった可能性がうかがえます。まるで宝くじに当たるような感覚で、顧客の財産を盗んでいたのでしょうか。
競馬とFXで散財、盗んだ金品の画像は800点
盗んだ金塊は質店に持ち込み現金化され、別の被害金の穴埋めに充てられたとみられています。捜査関係者によると、今村容疑者は以前から別の顧客の貸金庫から多額の現金を盗んでおり、競馬やFX（外国為替証拠金）取引に使い込んでいたとのこと。まるでギャンブル依存症のように、際限なくお金を使っていた様子が想像できます。さらに、今村容疑者のスマートフォンには、盗んだ金品を撮影した貸金庫内の画像約800点が残されていたといいます。まるでトロフィーのように、盗んだものを記録していたのでしょうか。「いろいろな人に迷惑をかけた」とも供述しているそうですが、その言葉の真意はどこにあるのでしょうか。
銀行のセキュリティ体制に疑問の声も
今回の事件は、銀行のセキュリティ体制にも疑問を投げかけています。営業時間外を中心に貸金庫内の金品を持ち出し、自身の机の引き出しやキャビネットで保管していたとみられる今村容疑者。金融機関の内部統制がどのように機能していたのか、徹底的な検証が必要です。金融ジャーナリストの山田一郎氏（仮名）は、「今回の事件は、銀行の信用を大きく損なうものだ。再発防止策を早急に講じる必要がある」と指摘しています。
今後の捜査の行方
警視庁は、今村容疑者が2020年4月以降、顧客60人以上から現金や金塊など17億円相当を盗んだとみて、捜査を進めています。今後の捜査で、事件の全容解明が期待されます。
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