ウクライナ侵攻3年:北朝鮮兵士の現実、最前線での戦い

ロシアによるウクライナ侵攻から3年。長期化する紛争の影で、北朝鮮とロシアの連携強化が鮮明になっています。ロシア支援のため派遣された北朝鮮兵士の現実を、ウクライナ特殊作戦軍の部隊指揮官への独占インタビューから紐解きます。

北朝鮮兵士、捕虜となる決死の瞬間

先月、ロシア西部クルスク州でウクライナ軍によって捕らえられた北朝鮮兵士。抵抗する兵士の姿を捉えた映像は、ゼレンスキー大統領によって公開されました。21歳のこの兵士は、「訓練だと思っていた」と供述したといいます。

北朝鮮兵士確保の瞬間北朝鮮兵士確保の瞬間

今回、jp24h.comは、この北朝鮮兵を捕らえたウクライナ特殊作戦軍の部隊指揮官に独占インタビューを実施。緊迫の瞬間を語ってくれました。

指揮官は、「彼は手榴弾のピンを抜いた。しかし、すぐにピンを戻しポケットに入れた。私はその手榴弾を抜き取った」と証言。北朝鮮兵士の自決の覚悟が明らかになりました。別の映像には、ウクライナ兵が近づいた瞬間に自決する北朝鮮兵の姿も捉えられています。

金正恩への忠誠心、ロシアによる「利用」の実態

これまで1万2000人以上が投入されたとされる北朝鮮兵士。しかし、捕虜となったのはわずか2人。指揮官は、ロシアが北朝鮮兵士の金正恩総書記への忠誠心を「利用」していると指摘します。「他の部隊では、『金正恩将軍』と叫びながら自爆する北朝鮮兵もいた。これは、プロパガンダによる『信仰』に基づくものだ」と語りました。

戦死した北朝鮮兵の所持品から見えるもの

戦死した北朝鮮兵の所持品からは、家族写真、ロシアの偽造IDの他に、「自らの意思で入隊した」とする文書が見つかりました。「金正恩同志に恩返しするために死ぬ覚悟ができている」という記述も。

北朝鮮兵士の所持品北朝鮮兵士の所持品

さらに、「戦車」「狙撃手」といった軍事用語に番号を振り、ロシア語読みを朝鮮語で記したリストも発見。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は、これはロシア側が北朝鮮兵に指示を出すためのリストであり、最前線の盾として利用されていると分析しています。

若き兵士たちの犠牲、泥沼化する紛争

4000人もの死傷者が出ているとされる北朝鮮兵士。その多くは10代~20代の若者だとされています。ウクライナ侵攻3年、他国の兵士を巻き込み、紛争は泥沼化の一途を辿っています。

ウクライナ侵攻は、国際社会に大きな波紋を広げ、北朝鮮の若者たちの人生をも翻弄しています。この悲劇を繰り返さないために、私たちは何ができるのか、改めて考えさせられます。