メルツ氏、ロシア外相から「攻撃的」と批判される：ウクライナ支援巡り緊張高まる

メルツ氏、次期ドイツ首相の最有力候補として注目を集めていますが、そのウクライナ支援に対する姿勢がロシアから批判を浴びています。一体何が問題となっているのでしょうか？本記事では、メルツ氏の主張とロシアの反応、そして今後のドイツとウクライナ、ロシアの関係について詳しく解説します。

メルツ氏のウクライナ支援：長距離巡航ミサイル供与を主張

ドイツ総選挙で勝利を収めたキリスト教民主・社会同盟（CDU・CSU）の党首、メルツ氏は、ウクライナへの軍事支援強化を強く訴えています。特に、射程500キロの長距離巡航ミサイル「タウルス」の供与を主張している点が、ショルツ現首相の慎重な姿勢とは大きく異なり、国際的な注目を集めています。

タウルス巡航ミサイル

ロシアの反応：ラブロフ外相がメルツ氏を「攻撃的」と非難

メルツ氏の積極的なウクライナ支援の姿勢に対し、ロシアのラブロフ外相は「攻撃的」と批判しています。ラブロフ外相は、ショルツ首相とは異なり、メルツ氏はウクライナへの長距離巡航ミサイル配備を主張しており、これが地域の緊張を高めかねないと警戒感を示しました。ロシア側の懸念は、ウクライナが「タウルス」を保有することで、モスクワやクリミア半島といったロシア領内への攻撃が可能になることだと考えられます。

フリードリヒ・メルツ氏

ドイツの今後の対応：ウクライナ支援とロシアとの関係のバランス

メルツ氏が次期首相に就任した場合、ウクライナへの軍事支援が強化される可能性があります。しかし、ロシアとの関係悪化も懸念されるため、ドイツは難しい舵取りを迫られることになりそうです。すでにイギリスとフランスは射程250キロの巡航ミサイルをウクライナに供与していますが、ドイツは戦争拡大への懸念から慎重な姿勢を保ってきました。メルツ氏の主張は、ドイツの安全保障政策における大きな転換点となる可能性を秘めています。