ウクライナ和平協議、次週サウジアラビアで開催へ:ゼレンスキー大統領が希望を語る

ウクライナ紛争の終結に向けた新たな動きとして、次週サウジアラビアでウクライナとアメリカの協議が開催される見通しとなりました。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、この会談が「有意義なもの」になることへの期待を示しています。 ブリュッセルでの欧州首脳会議に出席したゼレンスキー大統領は、ソーシャルメディアX(旧Twitter)への投稿で、この協議開催について発表しました。

米ウクライナ協議再開:和平への道筋を探る

ゼレンスキー大統領自身はサウジアラビアを訪問しない見込みですが、「ウクライナとアメリカのチームは作業を再開した。来週には有意義な会談ができることを期待している」と述べ、和平実現に向けた強い意欲を示しました。大統領は、ロシアによる侵略戦争の終結と「迅速かつ永続的な」和平の樹立のために、国際社会がロシアへの圧力を強める必要性を訴えています。

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ゼレンスキー大統領は、「ウクライナの人々は真に平和を望んでいるが、それはウクライナの領土を犠牲にするという意味ではない」と強調。ウクライナは戦争開始当初から和平を求めてきたものの、戦争が継続しているのはロシアの責任であると改めて主張しました。

先月末の米大統領との確執:関係修復への努力

先月末、ゼレンスキー大統領とアメリカのドナルド・トランプ前大統領との間で、戦争終結への姿勢をめぐり激しい意見交換があったことが報じられました。 トランプ氏はゼレンスキー氏を戦争終結への意思が不十分だと批判し、アメリカ政府はウクライナへの軍事支援と情報提供を一時停止しました。

ゼレンスキー大統領はこの確執を遺憾とし、ウクライナにとって最大の軍事支援国であるアメリカとの関係修復に尽力しています。アメリカのスティルウィトコフ中東特使は、和平の「枠組み」について話し合う用意があると表明し、ウクライナとの関係正常化への期待を示しました。

和平交渉の行方:譲歩と安全保障のバランス

アメリカはウクライナに対し、和平交渉の前に譲歩を示すよう求めていますが、ゼレンスキー大統領は確固たる安全保障の保証を要求しています。2022年2月のロシアによる全面侵攻開始以降、ロシアはウクライナ領土の約20%を占領しており、和平交渉の行方は予断を許しません。

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フランスのマクロン大統領の停戦提案:各国の思惑が交錯

ゼレンスキー大統領は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が提示した停戦計画にも言及しました。この計画は、空と海での停戦、およびエネルギー関連などの民間インフラへの攻撃停止を盛り込んでいます。 ロシアは公式なコメントを出していませんが、プーチン大統領は「長期的な平和」を望んでいると発言しつつも、「他国のものは何も必要ないが、自国のものは何も手放さない」と述べ、強硬な姿勢を崩していません。

ウクライナと欧州諸国は、トランプ氏のロシアへの接近に警戒感を強めています。トランプ氏は昨年の大統領選挙でウクライナ戦争の早期終結を公約に掲げ、アメリカは先月サウジアラビアで欧州やウクライナの代表を交えずにロシアとの予備協議を行いました。 アメリカによるウクライナへの軍事支援停止は、ウクライナを米主導の和平交渉に引き込むための圧力とみられています。アメリカがロシアにも譲歩を求めているかどうかは明らかになっていません。

ウクライナ和平の行方:今後の展開に注目

ウクライナ紛争の終結に向けた動きが加速する中、次週のサウジアラビアでの米ウクライナ協議は重要な局面となるでしょう。国際社会の動向、各国の思惑が交錯する中、今後の展開に注目が集まります。