日本の食卓に欠かせないお米。その生産現場では、様々な課題に直面しながらも、情熱を持って米作りに取り組む農家の方々がいます。今回は、茨城県行方市でアイガモ農法を実践する田宮農園の田宮竜平さんに、米作りへの想い、そして農業を取り巻く現状についてお話を伺いました。
公務員から農業への転身 – 19ヘクタールの田んぼを舞台に
田宮さんは大学卒業後、地元の行方市役所で一般事務として勤務していました。しかし、コメ農家である父親の高齢化に伴い、33歳という若さで市役所を退職し、家業を継ぐことを決意しました。
alt="田んぼで稲の生育を見守る農家"
「父親が年齢を重ねるにつれ、体力的にも厳しくなってきたのを見て、自分が継ぐべきだと感じました。公務員を辞めることへの不安はありませんでした。農業は大変な仕事ですが、父親の姿を見て、努力すれば必ず道は開けると信じていました。」と田宮さんは当時を振り返ります。
アイガモ農法との出会い – 環境保全型農業への挑戦
田宮農園では、農薬や化学肥料を使わない環境保全型農業を実践しています。その中でも特に注目すべきは、アイガモ農法です。これは、田んぼにアイガモを放ち、雑草や害虫を食べさせ、稲の生育を助ける農法です。
alt="田んぼで泳ぐアイガモのひな"
「父親が珍しいものが好きで、近所の方を参考にアイガモ農法を始めました。そのノウハウを継承できたことは、大きな財産となっています。」と田宮さんは語ります。アイガモ農法は、環境にも優しく、安心安全なお米作りに貢献しています。
19ヘクタールの広大な田んぼを一人で管理
現在、田宮さんは約19ヘクタールの田んぼを一人で管理しています。トラクターでの耕作、田植え、稲刈りなど、すべての作業をほぼ一人でこなしています。
「19ヘクタールは一人では限界に近い面積ですが、父親が築き上げてきた基盤があったからこそ、ここまでやってこられました。農機具も揃っていましたし、個人販売やふるさと納税など、固定のお客様もついていました。もし、すべてを一人で始めなければならなかったら、数千万円の初期投資が必要だったでしょう。」と田宮さんは言います。
未来への展望 – 消費者に安全でおいしいお米を届けるために
田宮さんは、今後もアイガモ農法をはじめとする環境保全型農業を続け、消費者に安全でおいしいお米を届けたいと考えています。
「農業を取り巻く環境は厳しく、様々な課題がありますが、米作りへの情熱を失わず、日々努力を重ねていきたいです。そして、多くの方に、安心安全でおいしいお米を味わっていただきたいと思っています。」と田宮さんは力強く語りました。
田宮農園の挑戦は続く
田宮さんの米作りへの情熱と、農業に対する真摯な姿勢は、私たちに多くのことを教えてくれます。今後の田宮農園、そして日本の農業の未来に期待が膨らみます。ぜひ、田宮農園のお米を味わってみてください。
あなたも日本の農業を応援しませんか?
この記事を読んで、日本の農業に興味を持った方は、ぜひ地元の農産物直売所を訪れたり、ふるさと納税などを利用して、日本の農業を応援してみませんか?