老後資金と投資信託:本当に安全?賢い運用法とは?

老後資金の運用、特に投資信託について、不安を抱えている方は少なくないのではないでしょうか?退職金を元手に投資を始める方も多い中、「本当に安全なの?」「損をしないためにはどうすればいいの?」といった疑問が浮かびますよね。この記事では、老後資金を賢く運用するためのポイントを、専門家の意見も交えながら分かりやすく解説します。

投資信託のリスクとメリット:甘い言葉に惑わされないために

金融機関で「退職金で投資信託を」と勧められると、つい心が動いてしまうかもしれません。しかし、投資信託は「必ず儲かる」という保証はありません。世界的な経済危機や株価の大暴落が起こると、元本割れのリスクも存在します。

例えば、2024年8月5日の日経平均株価大暴落は記憶に新しい出来事です。一日で4451円もの下落幅は、1987年のブラックマンデー翌日の下落幅を上回るものでした。このような事態は、専門家でも予測が難しいのが現実です。

alt: 2024年8月5日の日経平均株価大暴落の様子を示すチャート。急激な下落を示す赤い線が印象的。alt: 2024年8月5日の日経平均株価大暴落の様子を示すチャート。急激な下落を示す赤い線が印象的。

投資信託には、「信託報酬」という手数料がかかります。金融機関にとっては継続的な収入源となるため、積極的に販売する傾向があります。「ファンド・オブ・ファンズ」のように、投資信託を複数組み合わせた商品では、信託報酬が二重にかかるケースも。投資家にとってはリスクを伴う商品でも、金融機関にとっては「金の卵」なのです。

ファイナンシャルプランナーの山田太郎氏(仮名)は、「投資信託はリスクとリターンを理解した上で、慎重に選ぶべきです。特に老後資金は生活の基盤となるお金ですから、リスク許容度をしっかりと見極めることが重要です」と指摘しています。

つみたてNISAと老後:長期投資でリスクを抑える?

65歳から「つみたてNISA」を始める方もいるでしょう。長期的な積立投資は、リスク分散効果が期待できる一方、20年後の85歳になった時に、健康上の問題で使えなかったり、大きな損失が出てしまったら元も子もありません。

「積立投資=貯金」と勘違いしている方もいるかもしれませんが、これは大きな誤りです。貯金は元本保証ですが、積立投資は投資商品なので、価格変動のリスクが常に存在します。「長期投資なら必ず右肩上がり」という保証はどこにもないのです。

alt: 老後の生活をイメージした写真。穏やかな時間を過ごす老夫婦の姿。alt: 老後の生活をイメージした写真。穏やかな時間を過ごす老夫婦の姿。

賢い老後資金運用:分散投資と情報収集が鍵

老後資金を賢く運用するためには、リスク分散が重要です。投資信託だけでなく、預貯金や国債など、複数の金融商品に分散して投資することで、リスクを軽減することができます。

また、常に最新の経済情報や金融商品に関する情報を収集することも大切です。経済ジャーナリストの荻原博子氏は、「金融機関の甘い言葉に惑わされず、自分自身でしっかりと情報収集し、判断することが重要です」と述べています。

老後資金の運用は、人生100年時代を安心して過ごすための重要な課題です。リスクとメリットを理解し、自分に合った方法で賢く運用していきましょう。