ウクライナ支援倍増へ、欧州主要国が新たな対ロ制裁も視野に – マドリード会合で声明

ウクライナを支援する欧州主要国の外相たちがマドリードで会合を開き、支援の強化とロシアへの新たな制裁の可能性を示唆しました。今後のウクライナ情勢、そして国際社会の動向に注目が集まります。

欧州主要国外相、マドリードで会合 ウクライナ支援倍増を表明

2025年8月31日、スペインのマドリードにて、ウクライナ支援の鍵を握るヨーロッパ主要国の外相が集結しました。イギリス、フランス、ドイツ、イタリアに加え、ポーランド、スペイン、そしてEUの外交安全保障上級代表であるジョセップ・ボレル氏も参加。会合後に出された共同声明では、ウクライナへの支援を倍増させること、そしてロシアへの新たな制裁を検討していることが明らかになりました。

EU外相ジョセップ・ボレル氏(2025年、ロイター/Juan Medina)EU外相ジョセップ・ボレル氏(2025年、ロイター/Juan Medina)

ロシアへの即時停戦要求と更なる圧力への覚悟

共同声明の中心となったのは、ロシアに対する即時かつ無条件の停戦要求です。「対等な条件での停戦と、その完全な実施」をロシアに強く求める姿勢を示しました。同時に、ウクライナが「公正かつ永続的な平和」を築けるよう、新たな制裁措置を含む更なる圧力をかける用意があることを明確に表明。国際社会からの強いメッセージがロシアにどう届くのか、今後の動向が注目されます。

軍事・政治・人道支援の増額を決定、凍結資産の継続も

具体的な支援内容については詳細が明らかにされていませんが、軍事、政治、そして人道面での支援を増額することが決定されました。また、ロシアが戦争を終結させ、ウクライナに与えた損害を賠償するまで、押収したロシア資産の凍結を継続することも改めて強調されました。

ウクライナの子どもの帰還、捕虜解放を訴え

会合に先立ち、ボレルEU上級代表は、ロシアに強制連行されたウクライナの子どもたちの帰還と戦争捕虜の解放を強く訴えました。停戦に向けたロシア側の善意ある行動を促すとともに、米国に対しても、ロシアへの圧力強化を通じてウクライナ戦争の終結を後押しするよう求めています。

EU外相会合の様子(イメージ)EU外相会合の様子(イメージ)

フランス外相、米国の役割に言及

フランスのキャサリン・コロンナ外相は、ロシアが本当に和平を望んでいるのかどうか、米国が明確な回答を示す必要があると述べました。今後の和平交渉において、米国の役割が改めて問われることになりそうです。

今後の国際社会の動向に注目

今回のマドリード会合は、ウクライナ支援における欧州主要国の結束を改めて示す場となりました。支援倍増と新たな制裁の可能性を示唆することで、ロシアへの圧力を強める狙いがあると見られます。今後の国際社会の動向、そしてウクライナ情勢の行方に、世界中から注目が集まっています。