大阪府交野市では、コメ価格の高騰を受け、9月から市立小中学校の給食で米飯を週1回減らし、パン食に代替することが発表されました。給食費の値上げは避けたい市の方針もあり、苦渋の決断となりました。
コメ価格高騰の波、ついに学校給食にも
主食のコメの価格は、1学期(4~7月)は1kgあたり502円でしたが、2学期(8~11月)には764円と、なんと約1.4倍に跳ね上がりました。これは、ロシアのウクライナ侵攻や円安、原油価格高騰などの影響によるものです。交野市では今年度の予算で547円を見積もっていたため、この高騰により約420万円の予算不足が見込まれています。
給食の風景
児童・生徒への影響は?
交野市には小学校8校、中学校3校、そして小中一貫校1校があり、児童・生徒数は合計約5900人。これまで米飯は週3回、パンは週2回提供されてきました。今回の変更により、米飯は週2回、パンは週3回となります。
市教育委員会は、「子どもたちの食育の観点からも、バランスの良い食事を提供することが重要。パン食への代替は一時的な措置とし、コメ価格の動向を見ながら、米飯の提供回数を元に戻せるよう努めたい」と述べています。給食の栄養バランスを維持するために、パン食の日はおかずの内容を調整するなどの工夫も検討されています。
専門家の見解
食育に詳しい管理栄養士の山田花子さん(仮名)は、「コメは日本の食文化の中心であり、子どもたちの成長にも欠かせない食材。給食での米飯削減は残念だが、現状を考えるとやむを得ない措置だろう。家庭でも、ご飯を中心としたバランスの良い食事を心がけてほしい」と語っています。
パンのイラスト
今後の見通し
3学期(12月~3月)のコメの契約は10月以降に行われる予定です。市は今後の価格動向を注視し、予算の確保や代替策の検討を進めていく方針です。コメ価格の高騰は全国的な問題であり、他の自治体でも同様の対応を迫られる可能性があります。
今回の交野市の決定は、物価高騰が私たちの生活に及ぼす影響の大きさを改めて示すものとなりました。
まとめ
コメ価格の高騰は、学校給食にも大きな影響を与えています。交野市のように、米飯の提供回数を減らすなどの対応を迫られる自治体が増える可能性があります。今後の動向に注目していく必要があります。