早生まれの子は、受験やスポーツで不利だとよく言われますよね。でも実は、幼少期の接し方次第で、その不利を9割も克服できる可能性があるんです!16万人以上のMRI脳画像を分析してきた脳科学者であり、自身も早生まれの子を持つ瀧靖之氏の著書『本当はすごい早生まれ』(飛鳥新社)を参考に、その秘訣を紐解いていきましょう。
早生まれの不利は本当?統計の落とし穴
「早生まれは不利」という説は、様々な研究で統計的に有意な差として示されています。しかし、統計の落とし穴に注意が必要です。例えば、男女の共感性の違いに関する研究では、女性の方が共感性が高い傾向があるという結果が出ています。しかし、共感性の高い男性やシステム化能力の高い女性も存在し、個人差が大きいことが分かっています(注1)。つまり、統計的な傾向と個人の特性は必ずしも一致しないのです。
alt="子供と母親が笑顔でハグしている写真。早生まれの子育てにおいて、愛情のこもったスキンシップは自己肯定感を育む上で大切です。"
早生まれに関する研究も同様です。成績、自己肯定感、非認知能力など、様々な指標で早生まれの子は不利という結果が出ているかもしれませんが、それはあくまで集団の平均値に基づくもの。実際には、成績優秀な早生まれの子もいれば、そうでない子もいるわけです。
早生まれの不利を克服する鍵は「褒める」こと
では、どうすれば早生まれの不利を克服できるのでしょうか?瀧氏によると、その鍵は「褒める」ことにあるそうです。特に幼少期に、親からたくさん褒められることで、子どもの自己肯定感は大きく育まれ、その後の成長に良い影響を与えるといいます。
褒め方のポイント:結果ではなく過程を褒める
大切なのは、結果ではなく過程を褒めること。「テストで100点取ったね!」ではなく、「一生懸命勉強したね!」と努力を認めることで、子どもは自信を持ち、さらに頑張ろうという意欲を持つようになります。
褒めることで脳が活性化する
脳科学的にも、「褒める」ことは子どもの脳の発達にプラスの影響を与えるとされています。褒められることで、脳内ではドーパミンという神経伝達物質が分泌され、学習意欲やモチベーションの向上につながるのです。
早生まれの子育て、成功の秘訣
早生まれの子育てで大切なのは、統計に惑わされず、一人ひとりの個性を尊重すること。そして、愛情をたっぷり注ぎ、たくさん褒めてあげることです。そうすることで、早生まれの不利を克服し、子どもたちはのびのびと成長していくことができるでしょう。
注1: S Wheelwright, et al. Predicting Autism Spectrum Quotient (AQ) from the Systemizing Quotient-Revised (SQ-R) and Empathy Quotient (EQ). Brain Research, 2006 Mar 24;1079(1):47-56.