かつてテレビ業界では、国民的スターであり日本トップクラスのMCである中居正広氏に新番組の司会などを依頼する際、手厚くもてなす「中居詣で」という慣習があったとされます。しかし現在、一連の女性トラブル報道を機に、業界内では真逆とも言える中居離れが本格化している模様です。特に、親交のあった後輩タレントにもその影響が及んでいます。
業界に広がる「中居離れ」の波
テレビ業界での「手のひら返し」は迅速だったと言われています。フジテレビの女性アナウンサーとの性加害トラブルが報じられて以来、多くの関係者が中居氏から距離を置くようになったと芸能ジャーナリストは指摘します。以前は親しい仕事仲間が中居氏について話題にすることもありましたが、今は距離を置いている印象が強いとのことです。
さらに、中居氏とフジテレビ系列の番組で関わりのあったスタッフやタレントに対し、同局の関係者から「中居氏への電話やメールを控えるように」との指示が出ているという情報もあります。これは、現在中居氏が第三者委員会の報告に異議を唱え、反撃姿勢を見せていることに対し、フジテレビ側が関わりを避けようとする牽制の動きと考えられます。
女性トラブル報道の中居正広氏
後輩タレントへの「飛び火」と苦渋の決断
「君子危うきに近寄らず」の言葉通り、中居氏との決別とも取れる選択をしているのは、仕事仲間だけではありません。かつて中居氏を慕っていた後輩タレントたちも、距離を置く判断を下しているようです。
その一人が山下智久氏です。2024年にフジテレビ系で放送された山下氏主演の連続ドラマ『ブルーモーメント』の映画化が暗礁に乗り上げたと、『女性セブンプラス』が報じました。同ドラマの最終回は続編や映画化を匂わせる内容であり、本来であれば映画化は既定路線だったはずです。山下氏自身も続編には前向きでしたが、実現に向けた話し合いの最中に中居氏の女性トラブル問題が発覚しました。この状況下でフジテレビの制作作品に出演すべきではないと判断し、山下氏がこれを断ったと伝えられています。
中居正広氏との距離を置く選択をしたと言われる後輩タレント
慕っていた先輩からの距離
山下氏が中居氏の一連のスキャンダルを考慮して苦渋の決断を下した背景には、これまで中居氏を深く慕っていた関係性があります。ジャニー喜多川氏が入院した際、中居氏は山下氏と一緒にお見舞いに訪れています。その際のエピソードとして、中居氏が山下氏にパジャマを買ってきてほしいと頼んだのに手ぶらで来たと笑い話にしたこともあります。
また、山下氏は2014年に中居氏が司会を務める『ザ!世界仰天ニュース』と連動した特別ドラマに主演するなど、デビュー以来、先輩である中居氏の背中を追いかけてきました。それだけに、今回の距離を置く判断は容易ではなかったと推測されます。
松本潤主演ドラマの頓挫
さらに『東スポ』によれば、当初7月クールのフジテレビドラマとして嵐・松本潤氏の主演作品が予定されていましたが、これも一連の騒動を受けて企画が頓挫したとされています。結果として、松本氏はTBSの日曜劇場で主演することが発表されました。
山下氏や松本氏といった後輩タレントが、中居氏の問題を受けて距離を置く形となったことで、中居氏の孤立がますます深刻化しています。現状として、中居氏と親しい関係にあればあるほど、フジテレビの作品には出演しにくい状況にあると言えます。
孤立深まる中居正広氏
「もちろん、中居さんが起こしたトラブルは、後輩アイドルにとってなんの関係もないものです」と芸能ジャーナリストは述べつつも、このタイミングで中居氏としっかりと決別する姿勢を見せないと、自身も「同類」だと見られてしまう危険性があるため、距離が近かった人物ほど慎重にならざるを得ない状況だと分析します。
対照的な木村拓哉氏の状況
対照的なのが木村拓哉氏です。木村氏が主演を務めるフジテレビの人気ドラマシリーズ『教場』が、2026年に映画化されることが発表されました。木村氏は以前から中居氏とは距離を置いていたことが知られています。そもそも以前から関係性が異なっていたからこそ、今回の件に関わらず堂々とフジテレビ作品にも出演できる状況にあるのではないでしょうか。
今回の女性トラブル報道とその余波は、中居氏自身の立場だけでなく、多くの後輩タレントたちの活動にも影響を及ぼし、芸能界における人間関係の難しさ、そしてテレビ局との関係性の変化を浮き彫りにしています。
参考文献
- 芸能ジャーナリストのコメント
- 女性セブンプラスの報道
- 東スポの報道