石破茂首相が示した「消費税減税はお金持ちほど恩恵がある」との見解が、SNSを中心に議論を呼んでいる。この主張に対し、消費税の性質や政策影響について専門家が異なる視点や懸念を指摘している。
石破首相の発言と党内の反応
石破首相は消費税減税を「お金持ちほどたくさん減税になり格差が広がる」と批判、社会保障財源への懸念を示した。静岡でも同様に「選挙のためだけではない」と強調。さらに、自民党の森山裕幹事長も「代替財源なき議論はポピュリズム」とし、消費税維持を強調した。
消費税減税を巡る議論に関わる石破茂首相
消費税の逆進性に関する専門家の視点
東京大大学院の内山融教授(政治学)は、消費税は低所得者ほど収入に占める負担割合が高い「逆進課税」であると指摘。生活必需品の消費は避けられないため、収入が低いほど負担が重くなる標準的な租税理論に基づけば、減税は所得比率で見れば低所得者に恩恵があるはずだとし、石破首相の見解に疑問を呈した。消費金額そのものでなく、所得に対する税負担割合が論点となるとしている。
減税が経済・社会保障に与える影響
一方で、消費税減税が経済全体や社会保障に与える影響を懸念する声もある。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、仮に食料品の軽減税率(8%)部分のみを減税した場合でも、社会保障システム破壊につながるリスクがあり、それは結果的に低所得者層にとって損になると警告する。恒常的な財政赤字は日本国債の格下げや円売りを引き起こし、円安で輸入物価が上昇する可能性があり、物価高対策ではなくむしろ促進につながりかねないとの懸念を示した。
まとめ
石破首相の消費税減税に関する発言は、税の逆進性や社会保障・経済への影響を巡る専門家の異なる見解を示した。この複雑な論点は、今後の税制議論の焦点となるだろう。
ソースリンク: https://news.yahoo.co.jp/articles/dcdafcd34cbc90427f0ef57b0a56dd1265bfc0a5