【現地レポート】大阪・関西万博「立ち食い強制」フードコート、550円有料席の実態は?

2025年開催予定の大阪・関西万博を巡り、開幕前からSNSを中心に様々な批判の声が上がっていた。特にその焦点の一つとなっていたのが、会場内のフードコートにおける「座るのにも金がかかる」「お金を奪うことに必死すぎる」といった声、いわゆる「立ち食い強制」問題である。万博会場内でも最大級の飲食スペースとされる「サスティナブルフードコート 大阪のれんめぐり〜食と祭EXPO〜」に対しては、有料席を確保しない限り立ち食いを強いられるとの厳しい意見が散見された。果たして、このフードコートの実態はどうなっているのか。現地を訪れ、その真偽を確かめてみた。

大阪・関西万博「サスティナブルフードコート 大阪のれんめぐり」でハイボールを片手に食事する様子。多くの批判を集めた「立ち食い強制」フードコートの実態を現地で検証する。大阪・関西万博「サスティナブルフードコート 大阪のれんめぐり」でハイボールを片手に食事する様子。多くの批判を集めた「立ち食い強制」フードコートの実態を現地で検証する。

批判の核心:「座るのにも金がかかる」という声

「サスティナブルフードコート 大阪のれんめぐり〜食と祭EXPO〜」は、リングサイドマーケットプレイス西に位置し、会場内の飲食スペースの中でも最大級の規模を誇る。約2000平方メートルの広さに約1000席が設けられているが、その大半が立ち食いスペースであり、有料の50分制チケットを購入しないと着席できない、というのが批判の中心だった。SNS上では「座る席が少ない」「無料席がない」といった不満が噴出し、万博運営側への厳しい視線が向けられていた。

現地検証:大阪のれんめぐりへのアクセスと雰囲気

このサスティナブルフードコートは、大屋根リングの外側、タイパビリオンやサウジアラビアパビリオンの近辺に位置する。実際に中に入ると、まず目に飛び込んでくるのは大きなねぶたの展示だ。2024年の青森ねぶた祭で大賞を受賞したねぶた師の作品を青森から移送し、会場に展示しているという。まるで縁日のような賑やかで楽しい雰囲気が漂っており、期待感が高まる。

大阪・関西万博の「サスティナブルフードコート 大阪のれんめぐり」内、有料席エリアと立ち食いスペースの全景。広大な敷地に多様な店舗が並び、訪問客が食事や休憩を楽しんでいる。大阪・関西万博の「サスティナブルフードコート 大阪のれんめぐり」内、有料席エリアと立ち食いスペースの全景。広大な敷地に多様な店舗が並び、訪問客が食事や休憩を楽しんでいる。

有料席の利用実態:意外な空席状況とメリット

今回は事前に有料席を予約していたため、左手の受付でQRコードを提示すると、リストバンド、水、そしてらぽっぽファームの菓子を受け取ることができた。フードコート空間の中心部が有料席エリアとなっており、席数は約500席と十分な広さがある。実際に確認してみると、席の埋まり具合は6~7割程度といったところで、意外にもそこまで満席というわけではなかった。普段、混雑したフードコートで血眼になって座席を探す身としては、550円という費用がかかるものの、事前に席を確保できる安心感と利便性は非常にありがたいと感じた。

結論

大阪・関西万博の「立ち食い強制」と批判されたフードコート「サスティナブルフードコート 大阪のれんめぐり」を実際に訪れた結果、有料席エリアは必ずしも満席ではなく、事前予約によってスムーズに座席を確保できる実態が明らかになった。SNS上の厳しい声とは異なる側面も存在し、550円で座席を確保できるサービスは、混雑が予想される万博会場において、快適な飲食体験を提供する一つの選択肢となり得る。このレポートが、万博を訪れる人々がフードコートをより快適に利用するための情報となることを願う。