伊東市長・田久保眞紀氏の学歴詐称疑惑と「うたプリ」推し活:公私の境界線

「『うたプリ』に迷惑をかけるかもしれないから、私のイメージがアップしてから取材を」――。学歴詐称疑惑で辞職勧告決議案が可決された静岡県伊東市の田久保眞紀市長は、週刊女性の問いにそう答えた。東洋大学卒業と公言していたが、実際は「卒業」ではなく「除籍」されていたことが判明し、大きな騒動となっている。公務の重責を担う市長の、人気コンテンツ「うたの☆プリンスさまっ♪」(通称:うたプリ)への熱い「推し活」も明らかになり、その動向が注目されている。

学歴詐称疑惑で注目が集まる伊東市の田久保眞紀市長の姿。公務の合間にも「うたプリ」への愛が垣間見えるかのような表情が印象的だ。学歴詐称疑惑で注目が集まる伊東市の田久保眞紀市長の姿。公務の合間にも「うたプリ」への愛が垣間見えるかのような表情が印象的だ。

学歴詐称疑惑の詳細と市長の反論

今年5月25日に伊東市長に当選した田久保氏は、わずか1か月足らずで学歴詐称疑惑が浮上。一度は辞職の意向を示すも、7月31日の記者会見で撤回し、市長としての続投を表明。「与えられた使命を全身全霊をかけて実現したい」と語気を強めた。

市議会の委員会で議長らに卒業証書を“チラ見せ”したとされる報道に対しては、「19.2秒見せた」と具体的な数字を挙げて“チラ見せ”を否定。また、学歴詐称そのものについても「卒業証明をもらおうと大学を訪問し、そこで自分が除籍になっていたことを初めて知った。それまでは卒業したと勘違いしていた。詐称には当たらない」との独自の認識を示した。この一連の釈明は、世間に波紋を広げている。

「うたの☆プリンスさまっ♪」とは何か?

そんな渦中の田久保市長が心から愛するのが、「うたプリ」こと『うたの☆プリンスさまっ♪』だ。2010年に恋愛シミュレーションゲームとして第1作が発売以来、CD、アニメ、映画など多岐にわたるメディアミックスを展開する人気コンテンツで、ゲーム業界関係者によると「今も多くの女性ファンを魅了」しているという。アイドルを目指す個性豊かな男の子のキャラクターたちが登場し、田久保市長の「推し」は理論派クールな青年「一ノ瀬トキヤ」である。

市長も熱中する「推し活」の実態

ゲームやアニメキャラの「推し活」は、声優イベントへの参加、関連グッズ収集、設定された誕生日祝いのSNS投稿(ペンライトやケーキでお供え写真)が一般的で、実際のアイドルのそれと活動内容に大差ないとゲーム業界関係者は語る。

田久保市長も例外ではなく、過去にはライブ遠征や、推しである一ノ瀬トキヤの誕生日を祝う様子を自身のSNS(X、旧Twitter)に投稿。「#うたプリ好きさんと繋がりたい」というハッシュタグや、「駆け込み課金」という文言とゲーム画面のスクリーンショットも公開していた。また、私物のカバンには缶バッジをはじめとする多数の推しグッズが装飾され、一ノ瀬トキヤのイメージカラーである紫色が私物や選挙活動時の服装にも顕著に見られたという。

伊東市長の今後の動向と「推し活」への視線

学歴詐称疑惑という公務上の問題に直面しつつも、「うたプリ」への熱い「推し活」を続ける伊東市の田久保眞紀市長。市民や世間の注目は、彼女の今後の動向、特に辞職の可能性に集まっている。同時に、公職者としての立場と個人の趣味とのバランスは、現代社会における新たな論点として、引き続き関心を呼ぶことだろう。