三代目 J SOUL BROTHERSの今市隆二氏(38)が、タクシー運転手への脅迫と暴行の疑いで書類送検された問題について、被害者代理人であるレイ法律事務所の河西邦剛弁護士が27日に都内で会見を開き、示談が成立したことを公表しました。同事務所の公式サイトでも示談成立が報告され、被害に遭ったタクシー乗務員のコメントが掲載されています。この進展は、一連の騒動に終止符を打つものとして注目されています。
三代目 J SOUL BROTHERS 今市隆二氏
示談成立の経緯と今市氏の行為認定
会見において河西弁護士は、「今市氏と被害者のタクシー乗務員との間で示談が成立したことを公表いたします」と明言しました。当初、今市氏は警察の任意の取り調べに対し、「殺すぞとは言ったが、運転手に向けてではない」と供述していると報じられていましたが、河西弁護士は「今市氏が最終的に、被害者に向けて“殺すぞ”という趣旨の発言をしたことを認めた」と説明。この事実に加え、今市氏から暴行および脅迫の事実について謝罪があったと報告されました。被害者側はこの謝罪を受け入れ、令和7年8月28日に今市氏との間で示談が成立に至ったとのことです。この示談成立は、関係者間の和解を意味し、事件の解決に向けた大きな一歩となります。
事件の概要とLDHの対応、その後の波紋
この事件は、今市氏が今年4月5日午前5時頃、東京都内を走行中のタクシー車内で運転手に対して「殺すぞ」と脅し、腕を引っ張るなどの暴行を加えた疑いで書類送検されたものです。所属事務所LDHは7月31日、事件発覚時に今市氏に対して報酬返上と自宅謹慎の処分を科したと発表しました。しかし、今市氏がその後も5月から7月にかけてライブに出演していたことが判明し、この対応に対して批判の声が噴出。これを受け、LDHは翌8月1日に今市氏の活動自粛を改めて発表するに至りました。一連の経緯は、芸能人の不祥事における事務所の対応と、その後の社会的責任のあり方について議論を呼んでいます。
被害タクシー乗務員による詳細コメント
レイ法律事務所のサイトには、被害に遭ったタクシー乗務員の詳細なコメントが掲載されています。
乗務員は今市氏との示談成立および被害届の取り下げを報告し、今市氏が暴行および脅迫の事実を認め、反省しているならば、個人的には今市氏の芸能活動の自粛や休止を求めない意向を示しました。
事件当日、乗務員は今市氏とその同乗者が乗車後すぐに今市氏であることに気づいたと語っています。多くの芸能人を乗せてきた経験から驚きはなかったものの、今市氏がかなり酩酊していたにもかかわらず、安全に目的地へ届けることが自身の仕事だと考えていたといいます。しかし、運転中に耳元のアクリル板を突然殴られた際の衝撃と恐怖は尋常ではなかったと強調。未経験の恐怖の中、「もし事故を起こしてしまったらどうしよう」「絶対に事故を起こさないように」ということだけを考えて運転を続けたと明かしました。その数十数分間は「ただただ、恐怖」であり、当時の衝撃と恐怖は今でも忘れられないと語っています。
防犯カメラの映像には乗務員が淡々と運転する姿が映っていたことについても言及。「叩くのをやめてください」と今市氏に言わなかったのは、行為を受け入れていたのではなく、恐怖で言葉が出なかったためだと説明し、「私が、車内で一切反抗や反論をしなかったことは、決して今市さんの行為を受け入れているのではなく、恐怖で言えなかったのです。そこは、どうか誤解しないでいただければと思います」と誤解を解くよう訴えました。
さらに、テレビで見ていた今市氏からの行為に恐怖だけでなくショックも感じ、普段の姿とは全く異なるものだったと吐露。何よりも今回の行為が事故につながる恐れのある危険な行為であることについて、その認識を忘れないでほしいと強く求めました。
示談に応じた理由として、今市氏が弁護士を通じて当時の認識を率直に共有し、その後暴行および脅迫の事実を認めたため、謝罪を受け入れたと説明しています。乗務員は、今市氏が事実を認め反省し、二度と同じことをしないと誓うのであれば、個人的には芸能活動の制限を一切求めないという立場を改めて示しました。
最後に、事件報道後のインターネットやSNSにおける根拠のない憶測に苦しい気持ちになったとし、そうした行為を控えるよう呼びかけました。
結論
今回の示談成立と被害者コメントの発表は、三代目 J SOUL BROTHERS今市隆二氏に関するタクシー暴行脅迫事件の大きな節目となります。今市氏が自身の行為を認め謝罪し、被害者もそれを受け入れたことで、法的な解決に至りました。しかし、この事件は芸能人の社会的責任、そして公共の場での行動の重要性を改めて浮き彫りにしました。また、インターネット上での無責任な情報拡散が、関係者に多大な精神的負担を与えることへの警鐘ともなっています。今後、今市氏が真摯に反省し、アーティストとしてどのような姿勢を見せていくのか、引き続き社会からの注目が集まるでしょう。
参考文献:
- レイ法律事務所公式サイト
- Yahoo!ニュース (Sponichi Annex) 掲載記事