漁師お手上げ、イルカがキンメダイ「横取り」…駆除できず追い払い作戦

漁師お手上げ、イルカがキンメダイ「横取り」…駆除できず追い払い作戦

[ad_1]  全国有数のキンメダイの好漁場として知られる伊豆諸島周辺で、イルカによる食害が増えている。海底に潜むといった「頭脳プレー」でキンメダイを食い逃げするイルカに対し、漁師もお手上げ状態だ。駆除目的の漁が禁じられているほか、観光資源の一面もあるイルカについて、東京都は漁船近くから追い払う作戦に乗り出した。(渋谷功太郎) 【写真】イルカに食べられたキンメダイの跡。口の部分しか残されていない 「一匹残らず」   キンメダイ漁の仕掛けを説明する浜川さん(神津島村で)  「日の出前から作業したのに、一匹残らずイルカに食べられたこともある。釣り針だけが戻ってくると本当にがっかりする」。漁師歴44年のベテランで、神津島漁協(神津島村)の組合長・浜川祝男さん(68)は嘆く。  キンメダイ漁は、数十本の針がついた仕掛けを深海に垂らし、一気に巻き上げる「底魚一本釣り」が主流だ。食害はこれまでもあったが、イルカの群れを目視できるケースが大半で、見かけた場合は船を走らせ、離れたところで仕掛けを巻き上げれば被害を回避できた。  だが、ここ数年はイルカの姿が見えないことを確認して仕掛けを巻き上げても、針にかかったはずのキンメダイが食われているケースが増えた。以前の被害と同様にキンメダイの口の部分しか残されていないことから、イルカの仕業とみられる。浜川さんは「イルカが我々に見つからないよう海底に潜み、キンメダイが針にかかったところを見計らって『横取り』している」と怒りが収まらない様子だ。  都が神津島で実施している標本船による調査によると、年間の出漁日のうち、イルカ被害に遭った日がどれくらいあるかを示す「被害率」は、2018年の4・3%から、19年には18・6%と急増。22年も25・4%と高止まり状態が続く。神津島のほか、三宅島(三宅村)でもイルカによる被害が増えているという。  都や都漁協連合会は被害額を算定していないものの、静岡県の伊豆東岸沖の漁場では21年、キンメダイ8トンがイルカなどの食害に遭い、約1600万円の損失が出た。 黒潮変化?  都漁連などによると、被害をもたらしているのは、バンドウイルカが中心とみられる。水産研究・教育機構(横浜市)の金治佑主任研究員は、「調査ではバンドウイルカの全体の個体数増加は確認できていない。(被害の増加は)黒潮の流れが変わったことや、海の環境変化が影響しているのかもしれない」と指摘する。 [ad_2] Source link