部活の「完全廃止」目指す市も…指導者の「脱先生」、費用負担で難題

部活の「完全廃止」目指す市も…指導者の「脱先生」、費用負担で難題

[ad_1] 変わる部活動<上> 「赤磐クラブ」には市内外10校の生徒が所属し、住民の高木さん(中央)が指導する(岡山県赤磐市で)  5月28日の日曜日、岡山県中部赤磐市の市立磐梨(いわなし)中学校のグラウンド。デザインの違うユニホーム姿の少年たちが野球の練習に励んでいた。監督の高木大地さん(33)は教員ではなく、看護関連会社を営む元高校球児だ。 【写真】実業団チームのコーチから卓球の指導を受ける生徒たち(東京都日野市で)  毎週日曜日に練習しているが、磐梨中の野球部ではない。市内外の公立中10校の野球部から集まった計24人が所属する「赤磐クラブ」だ。学校の部活動とは違い、教員の代わりに地域住民が指導者を務める。教員の過重労働、少子化による部員数減に悩む学校と地域が協力し、今年4月にスタートした。  だが、課題は多い。ほぼ無償だった学校部活動と異なり、運営には人件費などの資金が必要となる。「保護者に負担をかけたくない」と参加費を年間2000円としたが、必要経費を差し引けばほぼ残らない。指導は実質ボランティアで、謝礼の支払いのめどは立っていない。  今春、公立中を中心に休日の部活動を民間に委ねる改革が全国で始まった。日本のスポーツ、文化活動を支える部活動を学校から切り離し、約23万人の教員の負担を減らす大改革だが、指導者確保、保護者の費用負担といった難題が山積する。先行きには不透明感が漂う。 「地域の誇り」の強豪校に少子化の波  岡山県赤磐市立磐梨(いわなし)中は元々部活動が盛んで、全国大会出場歴がある野球部は地域の誇りだ。  赤磐市は岡山市のベッドタウンだが、少子化が止まらない。今年度の人口は約4万3000人で、合併で市が誕生した18年前から2000人以上減った。3月まで校長を務めた出射(いでい)実さん(60)が今後の新入生が最も少なくなる想定で生徒数を試算すると、2026年度には「今の約3分の1の64人まで減る」という数字が出た。  野球部は現在部員が10人で、数年前から近隣校との合同チームで大会に出場し、部を維持してきた。だが、合同チームでは解決できない問題があった。 練習に打ち込む磐梨中のホッケー部員ら。平日は主に顧問の教員、休日は地元クラブのコーチが指導に当たる(岡山県赤磐市で)  どんなに部員が減っても各学校の教員が顧問を務める状況は変わらず、熱心な教員が「生徒のために」と奮闘してきた。一方で、学校現場では授業や行事といった業務が膨らみ、教員の負担軽減が急務となってきた。磐梨中でも超過勤務が常態化し、1か月の残業が国の指針が定める上限「45時間」の倍以上の100時間に及ぶ教員もいた。 [ad_2] Source link