空気感染に「証拠が出てきている」 WHO技術責任者明かす





世界保健機関(WHO)本部=スイスのジュネーブ(ロイター)

 【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)の技術責任者であるベネデッタ・アレグランジ氏は7日、ジュネーブでの記者会見で、新型コロナウイルスについて、空気感染する可能性を示す「新たな証拠が出てきている」との認識を示した。ただ、最終的な結論は出ておらず、近く新たな結果を報告するとしている。

 WHOはこれまで、くしゃみなどでウイルスが飛散する「飛沫(ひまつ)感染」や接触が新型コロナの主な感染経路とみていた。空気感染が事実とすれば、飛沫よりも細かい微粒子(エアロゾル)などとなってこれまで考えられていたよりも長時間、空気中にとどまり広範囲の人に届く可能性がある。WHOの結論次第では、各国は対人距離を1~2メートル確保する「社会的距離」の規制などについて、対策の見直しを迫られそうだ。

 アレグランジ氏は会見で、空気感染の可能性を示す証拠について「まだ決定的ではない」と指摘。ただ、「閉鎖され、人が多く、換気が悪い非常に特殊な環境では特に、空気感染が起きる可能性を排除できない」とも述べた。「証拠を収集して分析する必要がある」と検証作業を続ける方針を示した。



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