欧州、入国再規制の動きも 新型コロナ感染増加で各国が警戒措置





英スコットランドを訪れたジョンソン首相(中央)=23日(ゲッティ=共同)

 【パリ=三井美奈】夏のバカンスシーズンを迎えた欧州で、新型コロナウイルス感染が再び増加し始めた。欧州連合(EU)や英国は6月以降、互いの国境封鎖をいったん解除したが、「第2波」を警戒し、再び渡航制限を出す動きが出ている。

 英政府は26日、スペインからの入国者に対し、2週間の隔離措置を導入した。スペインでは、バルセロナを州都とする東部カタルーニャ州などで感染者が急増しているためだ。

 スペインのサンチェス首相は、英国の措置に「誤りだ」と強く反発。イビサ島など同州以外の観光地は、英国より感染の度合いが低いと反論したが、ドイツ政府も28日、カタルーニャなどスペイン3州への不急の渡航を自粛するよう勧告。フランス政府は先週、カタルーニャ州への渡航自粛を国民に求めた。

 スペイン政府の28日の発表によると、最近1週間で国内では1日平均1800人以上の新規感染者が出た。28日には首都マドリードで公共の場でのマスク着用が義務化され、飲食店の夜間営業が制限された。観光地では、ドイツやフランスなどから保養客が集まるさなかだけに、感染再発への危機感は強い。

 ベルギーでも感染者が北部を中心に増えている。観光地を抱えるアントワープ州は28日、夜間の飲食店営業を原則禁止。人と人の接触を抑えるため、商店での買い物は30分以内に済ませるよう住民に呼びかけた。同国の人口は約1100万人だが、24日までの1週間で新規感染者は1日平均311人。前週より7割近く増えた。

 ドイツでも28日の発表で、最近1週間の新規感染者が1日当たり540人となり、6月初めの水準の1・5倍に達した。イタリアのコンテ首相は感染拡大の懸念があるとして、1月末に発令した非常事態を10月まで延長する意向を国会で表明した。



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