【ロンドン時事】米大統領選でのバイデン氏勝利を受け、ジョンソン英首相は7日、ツイッターで祝意を表し、「気候変動や通商、安全保障といった共通の優先課題に互いに緊密に取り組むことを楽しみにしている」と述べた。
【図解】米大統領選後に想定されるシナリオ
英国はまず首脳同士の信頼構築を急ぎ、対米貿易交渉の早期合意、中長期的には同盟関係の安定・強化を目指す。
首相はバイデン氏と親交はない。同氏は英国の欧州連合(EU)離脱を冷めた目で見ているとされるほか、ジョンソン氏について「見た目も感情も(トランプ)大統領の一種のクローン」と述べたことがある。
EUとの貿易交渉が難航を極める英国にとって、最大の貿易相手国である米国との自由貿易協定(FTA)は死活的だ。5月に始まった交渉はこれまでに相当の進展があったが、政権交代で米国側の交渉態勢が変わり、協議が長引く恐れもある。
イラン核問題や気候変動といった国際社会の課題でバイデン氏は国際協調路線に軌道修正するとみられ、英国には好ましい。一方、新政権はドイツやフランスとの関係を重視するとの見方もあり、新たな英米関係はぎこちないスタートとなる可能性もある。