
ブレグジット(イギリスのEUからの離脱)の移行期間が終了となる年末まで残りわずかとなっているが、漁業権や公平なビジネス条件の整備でいまだ交渉が難航しており、英タイムズ紙は「イギリス経済にとって合意なき離脱はウイルスより厳しい打撃になり得る」と伝えている。
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同紙では、もしも交渉がまとまらず年を越せば、来年のイギリスのGDPを2%下押しさせると報じた。新型コロナウイルスの影響で2020年のイギリスのGDPは対前年比でマイナス11%となり過去300年で最悪の落ち込みとなる見通しだ。もし合意なき離脱となれば、現在コロナに耐えている業種にも影響が出るとしている。
またタイムズ紙では新たにイギリスとEUの間で「ソーセージ戦争」が勃発していると伝えている。
イギリスとEUとの通商交渉がもしまとまらなければ、ロンドンがあるグレートブリテン島から現状ではEUのルールに従うことになるイギリス領の北アイルランドへ規則の違いを理由にソーセージなど特定の肉製品を運べなくなる。
これに対し、イギリス側も主にソーセージ大国ドイツがあるEU側から特定の肉製品を輸入禁止にする措置を報復として行う可能性があるという。
この数週間イギリス国民は繰り返し「まもなく交渉は妥結する」「次こそ妥結する」と政府発表や報道で何度も聞かされており、コロナ疲れに加えて、ブレグジット交渉疲れも広がっている。