【モスクワ=小野田雄一】南カフカス地方の旧ソ連構成国、アルメニアとアゼルバイジャンの係争地、ナゴルノカラバフ自治州をめぐる紛争で、アルメニア国防省は12日、同自治州南部にアゼルバイジャン軍の攻撃が行われたと発表した。紛争はロシアの仲介で11月に停戦合意していた。攻撃が事実であれば、停戦合意後としては初。攻撃の規模は明らかになっていない。
【図】アルゼンバイジャンとアルメニアをめぐる関係
イタル・タス通信によると、ロシア国防省も12日、「11日に同自治州南部でアゼルバイジャン軍による停戦違反が1件確認された」と発表した。アゼルバイジャンは攻撃の実施について発表していない。
国際法上はアゼルバイジャン領とされながら、アルメニア側が実効支配してきた同自治州をめぐっては、9月27日に双方の間で衝突が発生。ロシアの仲介で11月9日、アルメニア側が実効支配地域の一部をアゼルバイジャンに返還するなどと定めた停戦合意が結ばれた。紛争では、停戦までに双方で計5千人以上が死亡した。