(CNN) 米フロリダ州サーフサイドの集合住宅崩落で、マイアミデード郡のダニエラ・レイン・カバ郡長は7日、新たに8人の遺体が見つかり死者数が54人になったと明らかにした。安否不明者数は86人に上る可能性がある。
懸命の捜索・救助活動を行っているが状況は厳しさを増している。同郡消防トップのアラン・コミンスキー氏は同日、生存者がいる兆しが見当たらないと発言。前日には生存者が生き残る空間が見つかる様子がないとも語っていた。これまで約2200トンのがれきが除去されたという。
7日午後には崩落事故で助かった住民の一部が警察車両で現場に向かった。60代の女性は「ただ悲しいが、それでも見たい」と述べた。
接近が懸念されていた熱帯低気圧「エルサ」はフロリダ半島の反対側を通過したが、6日は最大で風速13メートルの風が作業員に当たった。7日の日中には天候がおおむね回復した。
同郡では他の建物に対する懸念も高まっている。海面上昇や塩気を含んだ空気による腐食のほか、商業施設や集合住宅の3分の2近くが今回崩壊した建物と同じ築40年かそれ以上古い状況にある。
フロリダ州の法律の専門家らは、州のコンドミニアム開発産業を規制する法令検証のための安全対策部会を立ち上げた。知事や議会による検証を支援する意向。
カバ郡長は、国立標準技術研究所や地質調査所、国立科学財団からスタッフが派遣され、建物崩壊の原因の調査が進んでいると述べた。