「服装がこんな格好で申し訳ない」
韓国の記者らとのビデオ記者会見でチェ・テホ駐アフガニスタン大使は18日、開口一番このように述べた。カブール空港まで行くためのヘリコプターには、縦30cm横30cm高さ20cm程度の小さなかばんだけが許可され、スーツを着る余裕などなかったという説明だった。
タリバンがこのように早くアフガニスタンを掌握することについて、チェ・テホ大使も分からなかった。大使館の警備会社からタリバン部隊が車で20分ほどのところまで進入したという報告を受けたのは、15日午前11時30分(現地時間)頃だった。当時もチェ・テホ大使は防衛線がある程度は維持されるだろうと考えていたという。
その後、友邦国の大使館から「すぐ全員脱出せよ」という緊急メッセージを受け取り、連絡が届いた友邦国の大使らも「今は本当に緊急な状況だ。早く行かなければならない」と述べた。
チェ・テホ大使は、チョン・ウィヨン(鄭義溶)外交部(日本の外務省に相当)長官の指示を受けて撤収した。マニュアル通りに大使館の主要文書などを破棄して鍵を閉めた後、車で5分ほど離れた友好国の大使館に移動した。大使館の地元職員らには自宅などの安全な場所に行くよう指示した。
米軍のヘリコプターでカブール空港まで移動したときは、すでに数か国の大使館職員らが押し寄せている状況で、チェ・テホ大使はアフガニスタン唯一の同胞に撤収の説得をするために職員を送った。当時、この同胞は事業基盤が整理されていない状況での撤収は難しいという理由によって、難色を示していた。
そのため、チェ・テホ大使を含む、職員3人が残って同胞の撤収作業を続けることにした。当初は難色を示していた同胞も、警報が鳴るなど状況が普通ではないことを把握すると、心を変えた。「自分のために大使館職員が残ってくれて、申し訳ないと言っていた」とチェ・テホ大使は伝えた。
17日の午前3時になってようやくこれらを乗せた軍用機はカブール上空を去った。その当時の状況について、チェ・テホ大使は「座席の区別なく、ほとんど全員が床に座って脱出した。搭乗優先順位がアメリカ人だったため、ほとんどがアメリカ人で、その後は我々のような第三国人、一部にはアフガニスタン人もいた」と説明した。
チェ・テホ大使はしばらく駐カタール大使館にとどまり、大使の任務を続ける予定だ。タリバンが占領したアフガニスタンの現地状況を引き続き把握し、人道的危機が発生しないように、国際社会と協力して対処していくことが急がれる。チェ・テホ大使は「忙しくてまだ家族とも通話できていない状態だ」と述べた。
WOWKorea 2021/08/18 19:38配信
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