「保守票が逃げた」って本当? 共産党と連携、データでみる真相 野党の勝利に必要な〝当たり前〟の条件


「保守票が逃げた」って本当? 共産党と連携、データでみる真相 野党の勝利に必要な〝当たり前〟の条件

2012年12月の衆院選で日の丸の旗が林立する中、有権者に最後の訴えをする自民党の安倍晋三氏=2012年12月15日、東京都千代田区

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立憲幹部「保守票が逃げた」

「これまで保守票をとっていた立憲の候補から、その票が逃げた」。江田憲司代表代行(当時)は朝日新聞の取材に対して、そうこぼしていました。

今回の選挙戦を通じて、自民党は全国的に「立憲共産党」などと、共産党と選挙協力した立憲への批判を展開しました。江田氏は、その批判が自身の選挙にも影響したとみていました。

江田氏の選挙区は横浜市北西部の神奈川8区。たまプラーザなどの高級住宅街を抱えた選挙区です。2017年から自民は三谷英弘氏を擁立しています。今回は共産が候補者を擁立せず、江田氏と三谷氏の一騎打ちとなりました。奇しくも2人は、かつての第三極・みんなの党の出身です。

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■神奈川8区開票結果(江田氏)/(三谷氏)
今回=52.6%/47.4%
前回=54.18%/33.67%
■神奈川8区出口調査結果(江田氏)/(三谷氏)
【立憲支持層】
今回=95%/4%
前回=80%/4%
【自民支持層】
今回=18%/81%
前回=30%/64%
【無党派層】
今回=62%/36%
前回=72%/13%
*【開票結果】実際の選挙での得票率。【出口調査結果】朝日新聞社が、投票を終えた有権者を対象に実施した出口調査の結果。今回は全国289選挙区の計8670投票所を選び、タブレット端末を使って投票先や支持政党などを回答してもらった。41万1467人から有効回答を得た。単位は%。小数点以下は四捨五入。無回答は省略

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無所属で出馬した17年も、今回も江田氏が勝利をおさめました。ただ、江田氏は前回と比べて約1万2千票の積み増しにとどまったのに対し、三谷氏は4万4千票も増えました。惜敗率も62%から90%へと上がり、江田氏が迫られる結果となりました。

出口調査の結果をみると、立憲支持層のうち江田氏に投票した人は80%から95%にあがりました。共産支持層も今回は大半が江田氏に投票しました。ただ、自民支持層でみると30%から18%に。「支持政党なし」と「わからない」を合わせた無党派層では72%から62%に下がりました。

一方、三谷氏は前回、自民支持層の64%からの得票にとどまっていましたが、今回は81%から支持を集めました。13%だった無党派層からの支持も36%にのばしています。江田氏の指摘の通り、江田氏を支持していた自民支持者などの票が得られなかった可能性があります。



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