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9回表、投手交代を告げられベンチから試合を見つめるロッテ佐々木朗希（撮影・垰建太）
＜ロッテ0－1日本ハム＞◇17日◇ZOZOマリン
ロッテ佐々木朗希投手（20）が、10日のオリックス戦に続き、17日の日本ハム戦でもあと少しで2試合連続の完全試合という投球を披露した。
8回パーフェクトで交代となったが、ZOZOマリンスタジアムで観戦したファンのほとんどが「仕方ない」「あの采配で正解」「井口監督は素晴らしい」と理解を示した。
日曜限定の中6日をしっかりと守って“サンデー朗希”の2週連続のホーム登板にJR海浜幕張駅は正午すぎからごった返していた。改札口からすぐの場所では球団職員が「チケットは予約で完売しました」とのプラカードを掲げ、千葉ロッテの応援ユニホームを着込んだファンがZOZOマリンスタジアムまで歩く列が長く続いた。
先発の佐々木朗は、8回まで日本ハムの走者を1人も出さず24人で抑えたが、9回の登板を待たずに交代した。このベンチ判断に「私、泣きそうでした」と池田美樹さん（33＝江戸川区）は目を潤ませ「周りがシーンとしてとても静かだった。何が起こったのか理解できなかった。でも、いいんです」と話した。一緒に観戦していた高木絵里奈さん(33＝松戸市）も「ろっくん（佐々木）のことを思えばシーズンも長いんだし、井口監督の判断は正しいと感じる。それでも、見たかったなぁ、あと1回」と涙をぬぐう仕草をした。
丸山尊史（たかふみ）さん（41＝船橋市）は、交代が告げられたときに周囲のファンが一斉にスマホをタップしてインターネットでどのようなコメントが出ているのか、確認をしている姿をみて「とんでもないことが起こったんだな、と思った」と思わずスマホ画面を確認してしまったという。それでも「1年通してローテションの一角に入るのも初めてなんだし、井口監督が大事に育てているのが分かった」と安心したという。
18年間ロッテファンの浅野賢人さん（22＝板橋区）は「千葉ロッテの試合でこんなに安心して観戦できたのは初めて。朗希なら今季中に完全試合をもう1回やってくれそうな気がする」と落ち着いて話した。
千葉県在住の56歳の男性は「これでいいんですよ。替えたのは仕方ない。ベンチに下がってからの佐々木は面白かったですよ。延長10回で自軍の反撃の際にスタンドと一緒になって手拍子していた。ファンと一体となった気持ちになりました。降板後にあんな風に手拍子する投手は初めてみた」と感心していた。
日本ハムファンの鈴木克昌さん（54＝調布市）は「いい試合を体験できた。敵とか味方ではなく、あんな球を投げる投手がいて、その投球を生で観戦できたのは本当によかった。しかも、安打1本で日ハムが勝利というオマケもついた」とホクホク顔だった。
試合終了後、予約チケットの購入受付には長い列ができていた。【寺沢卓】
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