
知床のカシュニの滝=北海道・斜里町
連絡が取れなくなった遊覧観光船「KAZU1(カズワン)」が航行していた「カシュニの滝」周辺海域を通るコースは、知床の世界自然遺産を巡るクルーズの定番だった。
【図解】観光船から救助要請があった現場
ウトロ港から知床岬までを約3時間かけて往復するコースで、所有する知床遊覧船(北海道斜里町)が設定した三つのコースの中で最も長い。同社はホームページ(HP)で「ヒグマに出会える確率94%」とうたい、「知床半島ウトロ側をくまなくお見せするコース」「船でしか行けないまさに秘境」とPRしていた。
知床斜里町観光協会のHPによると、同様の航路を運航する会社は同社を含め5社あり、他の4社はゴールデンウイークが始まる4月29日ごろから運航を開始する予定だった。同社だけは約1週間早い23日から営業開始予定としており、この日が初日だったとみられる。
現場周辺では2005年6月にも、別の会社のクルーザーが海岸近くの岩場に乗り上げ、観光客ら26人がけがをする事故があった。