「ロシア軍、ウクライナ南部で戦力増強」 英国防省が分析


「ロシア軍、ウクライナ南部で戦力増強」 英国防省が分析

ウクライナ南部ミコライウ地域の前線近郊で対ドローン(小型無人機)用銃を使った訓練をするウクライナ兵ら=2022年8月14日、ロイター

 英国防省はツイッターに、「この1週間のロシアの優先事項は、ウクライナ南部を増強するための部隊の再配置であったようだ」と投稿した。

 ウクライナ軍は7月中旬以降、ヘルソン州のドニエプル川にかかる橋への攻撃を続けている。ロシア軍が兵器や弾薬、兵員の輸送に利用する補給路を遮断するためで、ロイター通信によると、8月13日夜にも橋の一つを砲撃した。

 これに対し、ワシントン・ポスト(電子版)によると、ロシア軍は最近1週間、ヘルソン州に兵士3000人を増派し、ドニエプル側西岸に駐留するロシア兵は1万5000人に達したとみられる。ロシア軍は偵察活動などを強化しており、攻撃に備えている可能性がある。

 同紙はウクライナ軍が重火器や戦闘車両の不足で進撃速度が緩み、戦線後方からの攻撃に集中していると報じた。

 ロシア軍は11日以降、ウクライナ東部ドネツク州で攻撃を強めているが、米シンクタンク「戦争研究所」は、ロシア軍がウクライナ軍の注意を南部からそらすための作戦の可能性があると指摘した。

 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は13日のビデオ演説で、南部のザポロジエ原発を支配するロシア軍部隊に対し、「原発を攻撃したり、原発を盾に使いながら(周辺を)攻撃したりするロシア兵は、我々の情報機関や特殊部隊、軍の特別な標的となる」と警告した。同原発では砲撃が相次いでおり、ロシアとウクライナ双方が相手による攻撃だと主張している。【ブリュッセル宮川裕章】



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