
4日、ウクライナ東部ハルキウ、ドネツク両州近くを装甲車両で移動するウクライナ兵士ら(AP)
【キーウ=川上大介】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は4日夜、ウクライナ軍が「かなり速く、力強く前進している」とビデオ演説し、南部ヘルソン州でロシア軍の支配地域の奪還が進んでいるとの認識を示した。
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ゼレンスキー氏は、東部ハルキウ、ドネツク、ルハンスクの3州でも反攻が進み、「今週だけで数十集落が解放された」と説明した。

(写真:読売新聞)
ハルキウ州では先月、ウクライナ軍が露軍から広範囲な地域を奪還した。4日に露国防省が公表した地図では、露軍の支配地域が同州北東部の一部に縮小していることが示され、英BBCなどは、露軍が同州から「ほぼ完全に撤退した」と報じた。
一方、露軍が占拠する南部ザポリージャ原子力発電所では、露側がウクライナ4州併合を機にウクライナの影響力を排除する動きを見せている。
同原発の所長は先月末に露側に拘束された後、3日に解放されたが、ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムは3日、所長はウクライナ軍の管理地域に「追放された」と指摘。国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は4日の発表で「所長は任務を続けない。後任も不明だ」と明らかにした。