安倍晋三首相は28日夜、20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に出席した各国の首脳らを大阪城そばの大阪迎賓館(大阪市中央区)に招き、夕食会を開いた。首相はあいさつで大阪と大阪城の歴史を紹介し「里山」をテーマにした料理でもてなした。首相のあいさつ全文は次の通り。
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皆さま、改めまして、ようこそ大阪にいらっしゃいました。ここ大阪は4世紀ごろに仁徳天皇により都に定められ、その後商業の街として発展してきました。大阪のシンボルである大阪城は最初に16世紀に築城されました。石垣全体や車列の通った大手門は17世紀初めのものです。
150年前の明治維新の混乱で大阪城の大半は焼失しましたが、天守閣は今から約90年前に16世紀のものが忠実に復元されました。
しかし一つだけ大きなミスを犯してしまいました。エレベーターまでつけてしまいました。
その大阪城を間近に臨むこの場所で、先ほど日本が誇る3名の演者が皆さまのために心を込めて、舞、演奏、そして歌を披露していただきました。
皆さんもすっかりおなかを空かせていると思いますので、あいさつは短ければ短い方がよいと思いますが、少しだけ夕食について説明させていただきます。
今晩の夕食は持続可能性と美食を融合させるとの考え方のもと、里山をコンセプトに構成しています。詳しくはお手元のプレートをごらんください。
私たちは今日一日、十分仕事をしましたのでこの後は皆さまどうか、ゆっくり食事を楽しんでいただきたいと思います。私が「乾杯」と日本語で言いますので、その後、通訳を待たずに杯をあげてください。平らな杯でこぼれやすく、どうか着席のまま乾杯をしてください。それではG20大阪サミットの成功、そして世界の平和と繁栄、お集まりの皆さまの、ますますのご健勝を祈念して、乾杯!