エジプト、川崎重工業とそうりゅう型の輸出、技術移転、現地建造を協議中

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中東や北アフリカの防衛市場に関する動向を伝えるTactical Reportは2日「エジプトのアレクサンドリア造船所が川崎重工業とそうりゅう型潜水艦の輸出、現地生産に関する技術移転、ライセンス契約について協議を進めている」と報じている。

エジプトは世界的に主流のAIP機関を搭載する潜水艦=そうりゅう型潜水艦に関心を示している

エジプト海軍は2021年7月に発注していた最後の209/1400型潜水艦を取得、ドイツから調達した4隻の209/1400型は老朽化したロメオ型潜水艦(中国製)を更新するための機材だと予想されていたが、導入後も同艦を手放しておらず、仏La Tribune紙は2022年「オーストラリアがキャンセルしたバラクーダ級潜水艦(シュフラン級原潜の通常動力バージョンでアタック級潜水艦のこと)にエジプトが関心を示している。この潜水艦の調達協議は1年前に開始された」と報じていたことがある。

エジプト、川崎重工業とそうりゅう型の輸出、技術移転、現地建造を協議中

出典:Royal Australian Navy アタック級潜水艦

様々な情報を総合するとエジプトはバラクーダ級潜水艦を最大6隻(50億ユーロ=約7,500億円相当)調達したいと考えているのだが、エジプトは日本のそうりゅう型潜水艦にも関心を示しており、中東や北アフリカの防衛市場に関する動向を伝えるTactical Reportは昨年10月「エジプトが日本のそうりゅう型潜水艦に関心を示し、エジプト海軍の調査団が日本を訪れて潜水艦の能力を視察した」と報じていた。

さらに今月2日「エジプトのアレクサンドリア造船所が川崎重工業とそうりゅう型潜水艦の輸出、現地生産に関する技術移転、ライセンス契約について協議を進めている」と報じているが、そうりゅう型潜水艦の協議と平行して「Naval Groupとバラクーダ級潜水艦の協議も行われている」と付け加えており、エジプトは有利な条件を提示した方から潜水艦を調達する可能性が高い。

エジプト、川崎重工業とそうりゅう型の輸出、技術移転、現地建造を協議中

出典:海上自衛隊

エジプトがリチウムイオン蓄電池を全面的に採用した「たいげい型潜水艦」ではなく、AIP機関搭載の「そうりゅう型潜水艦」に関心を示すのは日本の都合というより、日本以外の国ではAIP機関+鉛蓄電池もしくはリチウムイオン蓄電池の組み合わせが主流(長距離作戦能力や安全性に対する考え方の違い)で、エジプトもそうりゅう型潜水艦の方が「自分たちの運用方針に適している」と考えているからかもしれない。

日本的に表現で言えば「川崎重工業との交渉はNaval Groupからより良い条件を引き出すための当て馬」かもしれないが、逆を言えばバラクーダ級潜水艦の調達が条件面で合意できない場合に備えた保険であり、日本人が固く信じる国産潜水艦の性能を対外的に証明し、当て馬の立場から脱却して「調達の本命」になるためには第三国の運用実績や評価が必要で、不利な立場を跳ね返して潜水艦の海外輸出を成功させたいなら「売ってやる」ではなく「買ってください」の立場で対応する必要がある。

エジプト、川崎重工業とそうりゅう型の輸出、技術移転、現地建造を協議中

出典:Alan Wilson/CC BY-SA 2.0

勿論、日本の安全保障政策や外交方針から大きく外れる防衛装備品の海外輸出を強行する必要はないが、各国が国防支出を大幅に増やしているため「新規プレーヤーの市場参入」に対するハードルは大きく下がっており、ここで何らかの結果を残せないと流石に厳しいのではないだろうか?

因みにTactical Reportは昨年8月「エジプト軍需生産省と三菱電機はレーダーシステムを現地生産するためのライセンス契約や技術移転について協議中だ」「エジプト軍需生産省と日本の防衛省がC-2輸送機の調達について協議中だ」とも報じており、日本はクウェートにもレーダーを売り込んでいるらしい。

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※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊 そうりゅう型潜水艦 うんりゅう

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