21日の参院選滋賀選挙区(改選数1)の投票日を前に、選挙への関心を高めようと、滋賀県立彦根東高校(彦根市)の新聞部が生徒会選挙制度と、地方選や国政選挙における生徒の投票行動の関係などを調べた選挙特集紙面の制作に取り組んでいる。紙面は19日の終業式などで配布される予定だ。
同校新聞部が年10回発行する「彦根東高校新聞」は全国高校新聞年間紙面審査賞で11年連続で最優秀賞に選ばれるなど高い評価を得ている。国政選挙のたびに生徒へのアンケートや選管職員へのインタビューなどを盛り込んだ特集面を企画し、生徒の選挙への関心を高めてきた結果、同校生徒の投票率は平成28年の前回参院選で86%(県内18歳の投票率は54・15%)、29年の衆院選では模擬試験と日程が重なったにも関わらず70%以上(同51・13%)と高い水準を維持している。
選挙面を担当する2年の鯰江杏菜さん(16)は「何を変えたくて投票に行くのか、紙面が目的意識を持つきっかけになれば」と話す。同部顧問の藤村知行教諭は「取材を通じて部員も自らを省みる。毎回成長を感じる」と目を細める。
今回制作する特集紙面は石川県立金沢泉丘高校の新聞部との共同企画。両校の生徒の選挙への意識を調べようと、金沢泉丘高の新聞部が作成したアンケートを両校の生徒を対象に実施したところ、「もしあなたに選挙権があり、自分の選挙区で選挙が行われた場合、地方選挙や国政選挙に行きますか」とする設問に対して、「地方選挙でも国政選挙でも行く」と答えた生徒の割合が、彦根東高で8割を超えた一方で、金沢泉丘高では5割弱に止まった。
彦根東高の新聞部では、生徒会の役員選挙での投票や選挙運動の形式が両校で異なることに着目。学校における生徒自治への意識や国政選挙に対する意識の違いなどを紙面でまとめた。
今週末の締め切りを前に編集作業も大詰めを迎え、部室では、床に座って作業する部員が「ここの表現、これでいい?」「あと2行だけ余裕あるよ」などと活発に意見を交わしていた。部長の2年、野村柊斗さん(17)は「一票で何が変わるかが伝わるような紙面にしたい」と意気込んでいる。(花輪理徳)