出典：PRESIDENT OF UKRAINE
ウクライナ人パイロットの訓練に関する話は、デンマーク、スウェーデン、英国で実施されることになり、経験豊富なパイロットと未熟なパイロットの訓練プログラムが異なるようです。
ゼレンスキー大統領とイグナト報道官による話を総合すると
ウクライナ人パイロットの訓練に関する情報は少し混乱していて、デンマークを訪問したゼレンスキー大統領はフレデリクセン首相との会談後に「ウクライナ人パイロットがデンマークに到着し、F-16の訓練を受けている」と述べました。しかし、空軍のイグナト報道官は「2023年に卒業した若いパイロットは英国で、2016年に卒業し戦闘経験のあるパイロットはスウェーデンで訓練を受ける」と述べました。若いパイロットは英語の学習と基礎訓練を徹底的に行い、軽飛行機からジェット機にステップアップし、最終的にF-16での単独飛行に進む予定です。訓練には最長2年の時間がかかる見込みですが、ウクライナのパイロットならより早くプログラムを終えることができるでしょう。
デンマーク、スウェーデン、英国での訓練
ゼレンスキー大統領とイグナト報道官の話を総合すると、デンマーク、スウェーデン、英国でウクライナ人パイロットの訓練が行われることになります。ただし、スウェーデンはF-16の運用経験やF-16Dの保有がないため、訓練の位置づけは非常に曖昧です。
イグナト報道官がデンマークとスウェーデンを言い間違えた可能性もありますが、スウェーデンはウクライナ人に対してグリペンの運用評価の機会を提供しています。このことを考慮すると、経験豊富なウクライナ人パイロットはデンマークでF-16の訓練を受け、一部の経験豊富なパイロットはスウェーデンでグリペンの運用評価を行い、卒業したばかりの未熟なパイロットは英国で基礎訓練を受けることになるかもしれません。
出典：U.S. Air Force photo by William R. Lewis
設備の準備と訓練の進捗状況
イグナト報道官は、「F-16の運用には、滑走路の繋ぎ目を滑らかにする作業だけでなく、飛行場の設備やインフラ、ロジスティクスの準備も必要です。これによってロシアによるF-16の破壊を防ぐことができます」と述べています。
追記：スウェーデンのクリステルソン首相によると、「スウェーデンは広大な国土を持ち、まだNATOには加盟していないため、ウクライナとグリペンを共有する計画はありません」とのことです。スウェーデンはウクライナ人パイロットや地上要員に対して、グリペンを正しく評価する機会を提供しているだけです。
ウクライナ空軍は、将来的には24機から36機のF-16を要求しており、さらに将来的には約150機のF-16が必要とされています。英国では、ウクライナ人パイロットに対する西側製戦闘機の訓練が夏に開始される予定です。ただし、ウクライナ空軍は冬までにF-16が届かないため、防空システムの強化が必要です。ウクライナ人パイロットの訓練が完了するのは来年の夏以降であり、それまでもF-16に頼らずに反攻作戦が可能です。
※アイキャッチ画像の出典：PRESIDENT OF UKRAINE
