岸田政権、内閣改造の官房長官人事で異変が発生

木原氏の「退任」により、政権の「刷新さ演出」は再生か漂流か

岸田文雄首相(矢島康弘撮影)

岸田文雄首相(自民党総裁)は、13日に行う内閣改造と党役員人事の最終調整に入った。政権の「骨格」を維持しながら、次期衆院選に向けた「刷新さの演出」が求められています。その中でも、閣僚や官僚組織を牽引する官房長官の人事に注目が集まっています。今回の人事では、木原誠二官房副長官の退任が濃厚となりました。岸田首相の側近であった木原氏が退任することになりましたが、首相自身も固辞したとのことです。岸田政権は新たなスタートを切るのか、それとも漂流するのか、注目が集まっています。

内閣改造と自民党人事の動きは?

岸田首相は、インドネシアとインドからの外遊から帰国した11日に、閣僚や党幹部と面談し、調整を進めました。その後、自民党は12日に役員会を開きました。岸田首相は13日に実施される内閣改造と党役員人事に向け、一任を取り付けました。また、麻生太郎副総裁と茂木敏充幹事長の続投も確定し、選挙対策委員長には小渕優子組織運動本部長が起用される予定です。さらに、公明党の山口那津男代表と自民党首相会談も行われ、斉藤鉄夫国交相の留任が確認されました。

特に注目されたのは、岸田首相と萩生田光一政調会長との接触です。岸田首相は11日に政府専用機で羽田空港に到着し、首相公邸に戻った後、萩生田氏との会談を行いました。また、同日の午後には党本部で他の幹部とも会談が行われましたが、再び3時27分から4時9分までの間に萩生田氏と会っていることから、憶測が広がりました。「多忙の最中に2回も会うということは、重要なやりとりがあったに違いない」という見方もあります。萩生田氏は過去にも官房長官起用が浮上したことがあり、政調会長の続投が予想されているだけでなく、彼の動向にも注目が集まっています。

ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、「岸田首相が萩生田氏と何度も会談したことは、安倍派内の動きについて相談していたのではないかと推測されます。官房長官は重要な役職ですが、萩生田氏は以前から旧統一教会の問題に関連しており、彼が閣内に入れば野党の追及を受ける可能性があります。そのため、彼を政調会長に留任させる可能性も考えられます」と分析しています。

一方、上川陽子元法相の官房長官起用の話もあります。有馬晴海氏は「上川氏を官房長官に起用することは非常に価値があると思います。官房長官の仕事は日々の定例記者会見が極めて重要ですが、上川氏は安定感があり、女性活躍の象徴となります。国民からの注目も集めることで、岸田政権のイメージアップにもつながるでしょう。ただし、人材が限られている中で多くの女性を登用するのは難しいです。象徴的な起用によって印象付けを行う方法もあるかもしれません」と語っています。

今回の人事では、木原誠二官房副長官の退任が濃厚とされます。彼は週刊文春の連続追及を受け、自身や家族の疑惑にさらされていました。岸田首相は彼の留任を希望していましたが、木原氏自身が固辞したとされています。

有馬晴海氏は「岸田首相は人を切ることに躊躇するタイプではありません。相当悩んだ末に、木原氏の退任を納得したのではないでしょうか。現代は携帯電話の時代ですので、側近である必要性は必ずしもありません。一度政権を離れることが、彼自身にとっても良い選択だと判断したのかもしれません」と述べています。

鈴木氏も前出のコメントに加えて、「週刊文春は、木原氏が続投する限り追及をやめるつもりはなかったようです。この交代は危機管理の観点から避けられないものでした」と語っています。

岸田首相は13日に党四役を指名し、改造内閣の発足のための組閣本部を設置する予定です。一方で、政権がどの方向に進むのかはまだ見えていません。

鈴木氏は「大きな変化のない人事ですが、人材が不足している中で、スキャンダルのリスクがある『新人』を多く起用するのは難しいです。結局のところ、支持率を爆発的に高めるような政策や人事は見当たりません。岸田政権は安定した人材を再構成しながら、低支持率の中で政権運営を行っていく道を選ぶでしょう。次期衆院選に向けた支持率を上げるタイミングを見極めながら、慎重に判断されることになりそうですが、機会は非常に限られており、難しい判断を迫られるでしょう」と指摘しています。

ソースリンク:日本ニュース24時間