プールの水が予想外に流出してしまった事件が、宮城県富谷市立東向陽台小学校で起こりました。この事件に関して、市教育委員会は職員に対して賠償請求を行わず、一般会計で対応する方針を決めました。なぜ賠償請求をしないのか、その理由について考えてみましょう。
原因は閉め忘れた元栓
プールの水が流出した原因は、プールの元栓が完全に閉まっていなかったことでした。市教育委員会によると、プールに亀裂がないかを調べるために行われた注水作業後、元栓の閉め忘れが発覚しました。この結果、約4,000立方メートルの水が流出し、損害額は203万円にも上ると言われています。
賠償請求は見送られた理由
なぜ市教育委員会は関係職員に対して賠償請求を行わないことを決めたのでしょうか。その理由にはいくつかの要素があります。
まず、水が下水管に流れ出ていたため、流出が確認しづらい状態だったことが挙げられます。また、市教育委員会からの指示が不十分だったという点も問題視されました。市教育委員会は、プールへの注水後のメーター確認についての徹底した指示をしていなかったとされています。
これらの要素を踏まえ、市教育委員会は関係職員には厳重注意をする一方、賠償請求は見送ることにしました。損害分は補正予算で対応するとのことです。
大切な税金を使うことへの反省と今後の対策
市教育委員会の担当者は、この決定について「市民のみなさまの税金で補う形になるので非常に重く受け止めており、申し訳なく考えている。今回の事案はすべての学校で起こりうるので、きちんと対策を取っていきたい」と述べています。損害を最小限にするために、経費削減にも努めるとのことです。
プールの水が関連するトラブルは、川崎市の市立小学校でも起こりました。こちらでは、約6杯分の水があふれ出し、市教育委員会が校長らに対して損害額の半額を賠償請求したそうです。しかし、市民からは「かわいそう」「教職員のなり手不足が加速する」といった反対意見も出されました。
結局、川崎市教育委員会は校長側から賠償金の支払いがあったと発表しました。今回の事件からも分かるように、プールの水に関するトラブルはどの学校でも起こりうるものなのです。
記事の出典元:朝日新聞社
記事のイメージ画像:宮城県富谷市立東向陽台小学校のプール
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