ウクライナ軍の自爆型ドローン、森の中を飛行してロシア軍陣地を攻撃

ウクライナ国防省情報総局のブダノフ中将は「双方がFPVタイプの自爆型ドローンを大量投入してありとあらゆる装備と交戦している」と言及し、ウクライナ軍も「森の中にあるロシア軍陣地を自爆型ドローンで襲撃する映像」を公開して注目を集めています。

森は戦場におけるブレークスルーの可能性を秘めているかもしれない

ウクライナ軍は、森の中にあるロシア軍陣地(48.978463,38.130538)を自爆型ドローンで襲撃する映像を公開しています。この攻撃に使用されているのはFirst Person View=FPVタイプのドローンであり、ウクライナは2022年夏に量産可能なFPVドローンの開発に着手し、各種テストを経て9月7日にFPVドローン「KH-S7」の作戦使用をウクライナ軍が承認しました。

ウクライナ軍が公開した映像によれば、「KH-S7」は森の中を木々を避けながら飛行し、ロシア軍陣地に入り込んでから爆発します。これにより、量産されたFPVドローンが普及すれば、「森林ゾーンでの戦い」においてブレークスルーが起こるかもしれません(ウクライナでは複数のFPVドローンが開発されているとのことです)。

ウクライナ軍が使用する自爆型ドローン「KH-S7」
出典:Сили оборони півдня України

KH-S7の開発グループは現在、次期バージョンのKH-S10開発に取り組んでおり、「完成すれば3kgの爆発物(KH-S7の3倍)を搭載して攻撃できるようになる」と報じられています。

市街戦に特化した新たな兵器

なお、KH-S7の制御はオペレーターによる操作ですが、イスラエルのElbitは既に市街戦に特化した徘徊型弾薬「LANIUS/ラニアス」を開発しています。この徘徊型弾薬は、重量1.25kgで飛行時間はわずか7分ですが、速い飛行速度(最大72km/h)を持つマルチコプタータイプであり、複数のセンサーやカメラユニット、SLAMアルゴリズム、AI技術を搭載しており、未知の屋内でも効果的に移動し、物体や人間を自動的に認識することができます。

LANIUSは市街戦や屋内戦を想定した対人向けの徘徊型弾薬ですが、敵の立てこもる塹壕や防御陣地の上空で使用することもできます。将来的には、「対人向け徘徊型弾薬の大量投入」も拠点制圧の手段として考えられる可能性があります。ウクライナ軍とロシア軍が戦場に大量投入しているFPVドローンは、「その兆候を示唆している」とも考えられ、非常に興味深い展開です。

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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України

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