和平協定を締結のため、アルメニアとアゼルバイジャンが首脳会談を開催へ

アルメニアとアゼルバイジャンは、10月5日に予定されている首脳会談を通じて和平協定を目指すことが発表されました。アルメニア議会のシモニャン議長は、「この会談は歴史的なチャンスであり、和平協定の締結のために必要な道路や鉄道を建設することも考えています」と述べました。

アゼルバイジャンとの紛争解決の道がアリバイジャンとイランの紛争に発展する可能性も

アルメニアの安全保障理事会は、10月5日にスペインのグラナダでパシニャン首相とアリエフ大統領が会談する予定であることを発表しました。この会談には、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相、フォンデアライエン欧州委員長も参加する予定です。アルメニア議会のシモニャン議長も「個人的には、アルメニアとアゼルバイジャンの立場は接近しており、このグラナダの会談が和平協定の締結の歴史的なチャンスだと思っています。そのために必要な道路や鉄道を建設することも検討しています」と述べました。

出典:Google Map 管理人作成(クリックで拡大可能)
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さらに、シモニャン議長は「我々はグラナダで歴史的な一歩を踏み出したいと強く望んでいます。永遠の戦争は誰にとってもプラスになりません」と述べ、領土の相互承認や国境の策定を含む和平協定の締結を訴えています。

シモニャン議長が「道路や鉄道の建設」と述べているのは、ナヒチェヴァン自治共和国とアゼルバイジャンの本土を結ぶ交通手段であるザンゲズール回廊を指しています。このザンゲズール回廊が和平協定の一環として実現される場合、トルコとアゼルバイジャンは検問なしの陸路でつながることになり、南コーカサスの力学に大きな影響を与える可能性があります。

出典:Hossein Razaqnejad/CC BY 4.0
出典:Hossein Razaqnejad/CC BY 4.0

しかしながら、イランは「ザンゲズール回廊が設置されると、非友好国のトルコやアゼルバイジャンに囲まれることになり、国境の変更となる」として、最高指導者のハメネイ師は難色を示し、ライシ大統領も最近「同地域の任意の変更はイランのレッドラインを超える」と発言しています。そのため、ザンゲズール回廊の実現は新たな紛争の引き金となる恐れがあります。

アゼルバイジャンとトルコは、2020年の停戦協定にザンゲズール回廊の実現が含まれていると再三主張しています。そのため、アルメニアとの和平協定に応じる可能性は低く、10月5日の会談でどのような結果が示されるか注目されます。

アゼルバイジャン大統領はアルメニアの不介入を評価し、和平協定の締結を示唆しています。一方、南コーカサスの緊張が高まる中、イラン大統領はどのような変化も容認しない立場を示しています。イランはアゼルバイジャンとの国境で大規模な軍事演習を実施しており、焦点はザンゲズール回廊に集まっています。


※アイキャッチ画像の出典:Հայաստանի Հանրապետության վարչապետ

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