アウディーイウカにおける戦い、ウクライナ軍の防衛ラインはまだ崩れていない

ウクライナ軍参謀本部は14日、「敵はアウディーイウカ方面の防衛ライン突破を諦めていない」と発表しました。しかし、視覚的に確認された情報からは「ロシア軍の攻勢が成功している」とは言い切れない状況であり、ロシア人の主張との相違が明らかになってきました。

RYBARの主張は今のところ「おとぎ話」に過ぎない

ウクライナ軍参謀本部は14日、「過去24時間にアウディーイウカ、ケラミック、トネネキー、シェベルネ、ペルヴォマイスキー、ネーベルズキーで約20回の攻撃を撃退したが、敵は防衛ラインを突破する試みを諦めていない」と発表しました。また、視覚的にも興味深い傾向が見られます。

アウディーイウカ周辺の戦況
(出典:GoogleMap アウディーイウカ周辺の戦況/管理人加工)

  • Ⓐ=ロシア軍陣地を無人機で攻撃する様子
  • Ⓑ=兵士を拾って東に後退するロシア軍車輌
  • Ⓒ=高い周辺で撃退されるロシア軍の車輌群
  • Ⓓ=攻撃を受けて放棄されるロシア軍戦車
  • Ⓔ=ウクライナ軍陣地を無人機で攻撃する様子

クラスノホリフカの北に位置する線路沿い陣地(Ⓐ)は、過去にウクライナ軍が奪還した地域ですが、ここにロシア軍兵士が存在するため、「ウクライナ軍から奪い返した」と確認されました。また、クラスノホリフカの西に位置する線路沿いから東に向けて後退するロシア軍車輌は、「西への突破が上手く行っていない」と示唆しています。

さらに、「高台の占領」「ベルディチ郊外への到達」「ステポヴェ集落内での戦闘」「アウディーイウカ南郊外での突破」を示す視覚的証拠が未だに登場しておらず、RYBAR(ロシア人ミルブロガーが運営するTelegramチャンネル)の主張は今のところ「おとぎ話」に過ぎません。ただし、ウクライナ側は「大きな損失を被っても敵は諦めていない」と述べており、完全に「攻勢が失敗した」と断定することはまだ早いでしょう。

Сухопутні війська ЗС України
(出典:Сухопутні війська ЗС України)

また、RYBARは14日、「ロシア軍はアウディーイウカ地域の防衛ラインを突破し続けている。我が軍の砲撃は衰えておらず、航空戦力も絶え間なく活動し、カムヤンカ、ヴォーダイン、オプトネ方向から激しい戦闘を続けながら前進中だ。我が軍はベルディチのために戦っており、敵も我が軍が集落郊外に集結していると報告している」と主張していますが、アウディーイウカ方面の戦況マップは提供されていません。

ロシア人の報告が視覚的な証拠と一致し始めると、「ウクライナ軍がうまくいっていない場合」が多くなりますが、今回はその逆のパターンに当てはまりつつあります。

アウディーイウカでの戦闘、ウクライナ軍はまだ防衛ラインを維持しています。この戦いにおいて、ロシア軍が少しずつ前進しているかもしれませんが、まだ戦力は尽きていません。

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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