アゼルバイジャン大統領顧問、ザンゲズールはアルメニアの主権領域と認識

アゼルバイジャン大統領の特別顧問であるエルチン・アミルベコフ氏は、「ザンゲズールはアルメニアの領土だ」と述べました。これには、アルメニア駐EU特使や米国のブリンケン国務長官が「数週間以内にアゼルバイジャンがアルメニアに侵攻するかもしれない」と懸念している中での発言です。

2020年の停戦協定をベースに協議を行えば「検問なしのザンゲズール回廊」を認めざるを得ない

アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、ハンケンディで国旗を掲揚し、「この日が来るのを国民は30年間も待ち望んでいた。我々はカラバフの返還によって尊厳を回復した」と宣言しました。これによってアルツァフ共和国は事実上消滅した格好です。しかし、アルメニアのバラヤン駐EU特使や米国のブリンケン国務長官は、「数週間以内にアゼルバイジャンがアルメニアに侵攻するかもしれない」と懸念しています。

この懸念は、第二次ナゴルノ・カラバフ戦争の停戦協定に含まれている「ザンゲズール回廊の実現」が放置されてきたこと、アゼルバイジャンが武力によるカラバフの返還に際して「国際的なペナルティ=制裁」に直面しなかったことに起因しています。しかし、アミルベコフ氏は「ザンゲズールはアルメニアの領土だ」と述べました。

アミルベコフ氏はBBCの取材に対して、「ここがアルメニアの主権領域であると認識している。しかし、ナヒチェヴァン自治共和国とアゼルバイジャンを繋ぐ安全で信頼できる交通手段が必要で、我々は交渉の準備ができている。もしアルメニアが交渉を先送りするならイランを通過するルートを建設するだろう」と述べました。しかし、BBCは「イランはトルコとアゼルバイジャンの協力関係が強化されることを望んでいないため、アミルベコフ氏が提示したイラン領内を通過するBプランは実現が難しい」と指摘しています。

バクー国立大学のアルタイ・ゲユシェフ教授は、「アリエフ大統領はカラバフ問題が解決したため『新たな民族主義的なプロパガンダ』を必要としており、次の敵がイランになるのかアルメニアになるのかは不明だ。もしアゼルバイジャンがザンゲズール回廊の検問を認めるなら『関係改善のシグナル』となるが、もしアゼルバイジャンが治外法権を要求し始めれば『新たな軍事作戦の口実づくり』が必要になるだろう」と述べました。

つまり、アゼルバイジャンの意図は「ザンゲズール回廊の交渉に現れる」という意味です。アゼルバイジャンとアルメニアが2020年に締結した停戦協定には「検問なしのラチン回廊」と「検問なしのザンゲズール回廊」の実現が含まれており、この停戦協定をベースに協議を行えばアルメニアは「検問なしのザンゲズール回廊」を認めざるを得ないでしょう。

この情報は、アルメニア駐EU特使や米国のブリンケン国務長官の懸念から生まれたものです。現在の状況や動向を注視し、アゼルバイジャンとアルメニアの関係改善に向けた議論が進展することを期待しましょう。

出典:President of the Republic of Azerbaijan
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