アウディーイウカの戦い、ウクライナ軍がオプトネ北西の採石場を失う

ロシア軍とウクライナ軍の戦いが続いていますが、最新の報告によると、ウクライナ軍がオプトネ北西の採石場を失ったとされています。この戦況について、さまざまな情報が報じられていますが、それぞれの主張には少し疑問が残ります。

オプトネ方向での採石場占領の主張

ロシア人のミルブロガーが運営するRYBARは、オプトネ方向での成功と採石場の占領を主張しています。一方、ウクライナ人が運営するDEEP STATEは、この主張に対して疑念を示し、「敵の言うことを信じるな」と訴えていました。しかし、29日にはDEEP STATE自身が「残念ながら採石場を失った」と報告しました。

アウディーイウカ周辺の戦況
(出典:GoogleMap アウディーイウカ周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能))

DEEP STATEは、ロシア軍がスパルタク方向とカムヤンカ方向からの攻撃により、アウディーイウカを守る部隊を釘付けにしていると報告しています。採石場からもウクライナ軍を追い出すことに成功したとのことですが、その地域からは既に南側の地域しか見渡せないため、戦術的な価値はほとんどありません。DEEP STATEは、「我が軍が逃げ出した」という主張は正しくないとも述べています。さらに、ロシア軍はシェベルネとトネネキーに圧力を加え続けており、まだまだ攻勢を続けているとのことです。

クラスノホリフカの戦況と第110機械化旅団

一方、クラスノホリフカ方向では、ロシア軍の装甲部隊が視覚的に確認されており、ウクライナ軍の砲撃を受けて西への突破は失敗したようです。

クラスノホリフカ南西の高台の占領
(出典:Генеральний штаб ЗСУ)

アウディーイウカ方面の戦況を「クラスノホリフカから西への突破」だけで評価すると、「ロシア軍は失敗し続けて大損害を被っている」と映るかもしれません。しかし、実際には、コークス工場に隣接する高地を奪われ、アウディーイウカ南部やオプトネ方向でロシア軍が前線を押し上げています。そのため、クラスノホリフカから西への「無謀な突破」は、第110機械化旅団にとって大きな脅威となる可能性があります。

もしもアウディーイウカの包囲に失敗すれば、「無謀な突破で生じた損害」は、ヴ―レダー攻勢と同様に「ロシア軍の無能さ」を象徴するものとなるでしょう。しかし、逆に包囲に成功すれば、別の評価が下されることでしょう。

アウディーイウカの戦いについては、さまざまな情報が報じられています。ホワイトハウスはロシア軍の攻撃が続くと予想し、街に通じる道路が砲撃を受けて困難な状況になっています。ウクライナ軍参謀本部は、アウディーイウカ方面の攻撃を全て撃退したと発表しています。他にも、ロシア軍がクラスノホリフカ南西の高台を占領した可能性なども報じられています。

※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России

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