履歴書の顔写真で採用を決める“顔採用”は令和の今でも残存?それはルッキズムに当たるのか?

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就活生の皆さん、履歴書に写真を貼り付けることはありますか?もしそうなら、その写真が採用の決め手になっているかもしれません。今回は、“顔採用”という仕組みについて考えてみましょう。

履歴書の顔写真を見て決める…顔採用は“ある”!?

最近、都内のある写真館が就活生の間で注目を浴びています。なんと、その写真館は就活用の証明写真を修整してくれるサービスを提供しているのです。肌の色やパーツの修正など、要望に応じて写真を加工することが可能なので、就活生たちにとって非常に魅力的な存在となっています。

では、果たして企業は本当に顔採用を行っているのでしょうか?ベンチャー企業に特化した就活サイトを運営するCheerの平塚ひかるさんは、「あると思いますが、純粋に顔のパーツだけで判断する会社もあれば、自信や表情、笑顔などによる顔採用もあると思います。美しさだけを求めているわけではありません。」と語ります。

一方、採用する側である株式会社POTETO Mediaの古井康介さんは、「ウチの会社はクリエイティブや開発がメインなので、見た目は必要ありません。最後まで顔を見ずに採用することもありますが、職種によっては見た目が指標になることもあると思います。」と話します。

美容系の会社を経営する国際社会文化学者のカン ハンナさんは、「顔のパーツよりも雰囲気などが自分のブランドに合っているかを重視することもあります。また、スキルは2~3度の面接では十分にはわからないので、顔つきを注意深く見ることがあります。」と述べます。

一方で、元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんは、「顔は能力の指標ではないと考えています。履歴書の写真まで加工するのは筋違いです。写真で判断することは、若者の行動原理に疑問を感じます。」と意見を述べます。

欧米では履歴書に写真を貼るのは違法!?

では、他の国ではどうなのでしょうか?化粧品メーカーが2019年に行ったアンケート調査では、新卒採用担当者の87.8%がエントリーシートの写真を重視しており、46.2%が写真で自社に合う人材かどうかを判断していることがわかりました。しかし、76.7%の人が写真の加工によって内容もねつ造されていると感じたという結果も出ています。

ただし、八代さんによると、アメリカやイギリスでは履歴書に写真を貼ることは違法とされており、年齢や性別の記述も禁止されています。したがって、日本の採用プロセスは他の国とは大きく異なると言えるでしょう。

就活生の気持ちは?

実際に顔写真を加工している女子大学生に話を聞いてみると、その理由は「自分のコンプレックスをなくすため」というものでした。また、顔採用については、「見た目も重要ですが、これまでの経験や能力も見てほしいと思います。ただ、外見があっての中身ですから、身だしなみをきちんと整えることは大切だとも感じています。」と述べます。

一方、平塚さんは就活生に向けて、「入社がゴールではありません。むしろ、入社後の活躍こそが大切です。自分が評価されるためには、どんなパフォーマンスを発揮することができるのかを考えるべきです。企業側も学生側も、お互いを理解し合い、魅力を感じることが重要です。」とメッセージを送ります。

顔採用ではなく、就活生の魅力を適切に判断するためには?

最後に、学生の魅力を適切に判断する方法について考えてみましょう。カンさんは、「できるだけ面接を行うべきです。書類審査だけでは、問題が起こる可能性があります。一人ひとりの人材は企業にとって重要な存在です。私自身、就活生と何度も面接を行っています。面接で言葉や考え方を感じることで、一緒に働きたいと思うこともあります。なので、企業側は写真ではなく、実際に会って向き合うことが大切です。」と主張します。

一方、八代さんは、「履歴書に写真は必要ありません。むしろ、法律で禁止すべきだと考えています。企業としても、顔採用を行っていると誤解されることは望ましくありません。このような風潮を変えるためには、企業側が写真の掲載をやめるか、できなければ法律で禁止するべきです。」と厳しい言葉を投げかけます。

平塚さんは、「対話が大切です。採用の場で企業側が有利だと思われがちですが、実際にはお互いが相手を見極めて選んでいるのです。企業側も学生側も、お互いの魅力を理解し、適切な人材を選ぶべきです。そのためには、企業側が自社の魅力を伝え、学生が理解することが重要です。」と語ります。

最後に、キャスターの堀は「顔は変わります。だから、あまり気にする必要はないと思います。顔だけではなく、相手との関係性やコミュニケーション能力なども重要です。だからこそ、長く付き合える人を選ぶべきだと思います。」と話します。

私たちは、あなたが自分自身を表現する機会をもつことを望んでいます。就活において、あなたの魅力が適切に評価されることを願っています。頑張ってください!

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