【改憲再出発】赤松正雄元厚生労働副大臣 憲法審には幻滅 予備的国民投票を


インタビューに答える赤松正雄元公明党衆院議員=東京・永田町の記者会館(酒巻俊介撮影)

 国会の憲法審査会の現状には幻滅を感じます。今の日本の政治家に憲法改正を発議することは不可能だと思います。一義的には野党に問題がありますが、与党も不規則発言で余計なことをしていますよ。

 ただそれ以上に問題なのは、いくら議論をしても、結局、選挙で憲法審のメンバーが入れ替わり、議論が元に戻ることです。今の仕組みで憲法審を位置付けている限りうまくいかない。どうしても政局に左右されてしまうからです。

 私の提案は予備的国民投票の実施です。今、国民が憲法をどう思っているのか、意思をまず問うべきです。その上で憲法改正をした方がいいとなれば、有識者で構成する委員会をつくり、改憲草案を練る。その草案を土台に、国会で(発議に必要な)3分の2の合意にもっていくんです。

 これができないなら、国会の通常の委員会とは別に、憲法だけを徹頭徹尾議論する委員会をつくることを提案したい。所属する国会議員は他の委員会を兼務できず、交代もなし。期限を限定し、缶詰め状態で議論させるのです。

 この委員会では、憲法1条から逐条的に最後まで、何を変え変えないべきかを議論する。そうすれば合意の道は見つかるはずです。

 私が引退した平成24年ごろと比べ、公明党の憲法議論はあまり進んでいません。私はかつて憲法9条に3項をつくり自衛隊を明記することを提案しました。賛同もあったが「わざわざ自衛隊を明記しなくてもいい」という意見が結局は強かった。

 第一義的に公明党の「加憲」という概念は、環境権を憲法に追加することで、ここから始め、順次世論の成熟を待つスタンスです。それは今も変わっていない。山口那津男代表は「もっと議論を」と言うが、首をかしげざるを得ません。

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