天皇陛下が即位を内外に宣明される10月22日の「即位礼正殿の儀」(即位の礼)に、中国政府が王岐山国家副主席を参列させる方向で最終調整していることが11日、分かった。王氏は習近平国家主席の盟友で、習政権1期目に中国共産党中央規律検査委員会書記として反腐敗闘争を主導、習氏の政敵を次々に摘発したことで知られる。複数の日中外交筋が明らかにした。
安倍晋三首相と習氏は6月の首脳会談で、習氏が来春、国賓として来日することで合意した。政府関係者によると、その後、中国側が王氏を即位の礼に参列させる意向を伝えてきた。
平成2年11月の即位の礼には当時の呉学謙副首相が参列した。王氏は最高指導部の共産党政治局常務委員経験者で、党政治局員だった呉氏より格が上となる。
習氏は、盟友の王氏を派遣することで日本との関係を重視する姿勢を示す考えとみられる。王氏は首相とも会談し、今後の協力拡大について協議する方向だ。
即位の礼は外国元首ら約2500人を招待して皇居で行われ、天皇陛下が天孫降臨神話に由来する玉座「高御座(たかみくら)」から賓客に向け即位を宣言される。