ピエール瀧さんの出演映画に対する助成金を交付しないとした処分を巡る裁判で、最高裁が処分は違法だとする判決を言い渡しました。
助成金の不交付は違法と判断
映画「宮本から君へ」の製作会社は、薬物使用で有罪判決が確定したピエール瀧さんが出演していることを理由に、映画に対する助成金を交付しないとした独立行政法人による処分の取り消しを求めて裁判を起こしていました。
1審の東京地裁は「交付しないことを相当とする合理的な理由があるとは言えない」として、処分は違法とする判決を言い渡しました。
しかし、2審の東京高裁は「薬物犯罪に寛容だという誤ったメッセージを発したと受け止められる恐れがあるとの評価が著しく妥当性を欠いているとは言えない」として、適法だと判断しました。
最高裁は17日、製作会社側からの上告を受けて審理をしていました。最高裁は、「助成金を交付したからといって、薬物乱用の防止という公益が害される具体的な危険があるとは言い難い」と指摘しました。
そのうえで、「重視すべきでない事情を重視した結果、社会通念に照らし、著しく妥当性を欠いた」として、2審の判決を取り消し、処分は違法であるとする判決を言い渡しました。
出演者による不祥事への影響
先月開かれた弁論では、製作会社側が「たった1人の不祥事で何十人、何百人に及ぶスタッフやキャストが魂を込めて完成させた映画に、不利益な処分が下される事態におびえて製作現場では萎縮・自粛の連鎖が続いている」と訴えていました。
一方、独立行政法人側は「薬物乱用の防止という公益の観点を考慮して、税金を原資とする助成金を交付しないという判断は社会通念に照らして著しく妥当性を欠いているとの評価が下されるべきではない」と反論していました。
最高裁の判決は、助成金の交付に関する重要な判断となります。
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