認知症の高齢者たちに満足な食事を提供せず、介護事業所が取り消し処分を受ける

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「グループホーム 一梅縁」(撮影:朝倉義統)

石川県かほく市は、認知症対応型の介護施設「グループホーム 一梅縁」で、高齢者の権利を侵害する介護保険法違反行為があったため、共同生活介護事業所としての指定を取り消しました。

高齢者の食事が半分以下に

市によると、この施設に入居する認知症の高齢者21人の一日の食事は、厚生労働省が定める摂取基準の75歳以上の高齢者向け基準(男性が1800キロカロリー、女性が1400キロカロリーなど)の5~6割程度しか提供されていませんでした。市は、「これは放棄・放任の虐待行為であり、高齢者の人権尊重義務の重大な違反である」と指摘しています。

たとえば、男性の場合、一食当たりのカロリーは300キロカロリーで、ごはん茶碗1杯(約250キロカロリー)と納豆1パック(80~100キロカロリー)よりも少ない量です。

認知された虐待行為

この問題は5月初旬に通報があり、その後、市が立ち入り検査を行って問題が判明しました。さらに調査を進める中で、施設からの食材量をもとに、少なくとも4ヶ月にわたって虐待行為が行われていたことが判明しました。市は、施設の指定取り消しまでに時間がかかった理由について、「入居者の転居先を探していたため」と説明しています。

また、市の監査に対し、施設は一部入居者の体重が減少しているにもかかわらず、虚偽の報告や虚偽の答弁を提出していたことも明らかになりました。

施設からの退去勧告

21日、施設は静かになりました。10月下旬には、残った18人の入居者に退去を勧告し、別の施設に移るように案内されたそうです。元職員の一人は、荷物を取りに来た際に施設に立ち寄り、「食事については何も知らなかった。普通の量で、煮物や酢の物、肉や魚が出されていました。『少ない』と感じる人もいたし、『要らない』と言う人もいました」と困惑していました。

この事件について、石川県かほく市は厳正に対処し、このような事態が二度と起こらないような対策を講じることが求められています。

Source link: 日本ニュース24時間