「小石河連合」なら自民党は分裂 菅前首相が河野・石破・進次郎の誰かを担いだら…混乱する「ポスト安倍」時代

小泉進次郎氏

自民党のポスト安倍時代に向けて注目されている人物が話題です。菅義偉前首相が「小石河連合」の中から河野太郎氏、石破茂氏、または小泉進次郎氏の誰かを推し進める可能性があるとの報道が出ています。これが現実になれば、自民党は分裂の危機に直面することになるでしょう。

安倍派と高市氏

現在、自民党内において、高市早苗経済安保相に対する安倍派の風当たりが強まっています。高市氏は閣僚の立場ながら党内に勉強会を立ち上げたことで批判を浴びています。塩谷立・安倍派座長は「政局につなげる意図があると、おかしな方向に行く」と述べ、世耕弘成参院幹事長も「現職閣僚が勉強会を立ち上げるのはいかがなものか」と批判しました。

これに対し、高市氏はSNSで「何が悪いのか、意味が分からん」と反論しました。また、「本会議場で総理の批判をされた方々に、まるで私が謀反を起こしたかのような発言をしていただきたくはありません」と発信しました。これは明らかに世耕氏の代表質問での岸田批判をけん制する意図があったと言えます。

支持率の低下と保守派の反乱

最近の世論調査では、内閣の支持率が低下していることが明らかになっています。読売新聞の調査では、大幅な10ポイントの下落で支持率は24%となりました。朝日新聞と毎日新聞の調査結果でも同様の結果が出ており、岸田政権の支持率が急落していることが伺えます。各紙は「底が抜けた」とまで表現しています。

以前、私はこの欄で支持率の低下はLGBT法成立を境に、保守派の支持層が離れただけでなく、敵に回ったからだと指摘しました。つまり、保守派の反乱が起きているのです。

岸田政権の所得減税に対する批判が高まり、保守派の論客や作家の百田尚樹氏が立ち上げた日本保守党の大阪での街宣には多くの人々が集まりました。もし「高市総裁」なら自民党に保守派が戻ってくるかもしれませんが、安倍派が高市氏を「敵」と見なしてしまうと、総裁の地位は遠のくことでしょう。

もし岸田内閣の支持率が10%台にまで低下すれば、自民党内で「選挙に勝てる顔」を探す必要が生じるでしょう。もし菅義偉前首相が人気のある「小石河連合」の中から誰かを推し進めた場合、党内はその方向に流れる可能性があります。

保守派の混乱と日本政治の未来

一昨年の総裁選では、安倍晋三元首相は保守派を支持して高市氏を「保守のスター」と呼びましたが、同時にリベラルな河野氏を勝たせたくなかったために岸田氏との「2位3位連合」を組みました。これが安倍氏のリアリストとしての行動であり、保守派の関係を説明するものです。

現在、保守派は岸田政権に対して強い不満を抱いています。そして、一部の保守派の攻撃が激化すれば、政権は崩壊する可能性もあります。安倍氏のように保守派を制御できる指導者はもういないのです。

しかし、もし自民党が高市氏ではなく小石河連合の中から誰かを選ぶなら、政権はよりリベラルな方向に進む可能性があります。そして、保守系の議員が離党し、「自民党分裂」が起こるかもしれません。

保守派が岸田政権に怒る気持ちは理解できる一方で、保守派の反乱が拡大すれば自民党を崩壊させ、日本全体をも崩壊させる可能性があるのです。(フジテレビ上席解説委員・平井文夫)

ニュースの元記事はこちら

日本ニュース24時間