京アニ公判 「なぜ死刑は正当化されているのか」弁護側、冒頭陳述で訴え

京都地裁

裁判員裁判の第17回公判が開かれた。青葉真司被告(45)は、令和元年7月の京都アニメーション放火殺人事件で36人が死亡し、32人が重軽傷を負ったとして殺人罪などに問われている。量刑を巡る3回目の冒頭陳述が行われ、被害の大きさや犯行の悪質性を主張する検察側と、死刑選択への疑問を投げかける弁護側の訴えが交わされた。

事件の重大性について

公判は、事件全般、責任能力、量刑の3つのテーマに分けて審理が行われている。この日からは最後のテーマである量刑に移行した。

検察側は冒頭陳述で、この事件を「筋違いの恨みによる復讐として及んだ類例なき大量放火殺人事件」と指摘した。平成以降で最悪の犠牲者数を出した事件であり、被害者や遺族が経験した恐怖や苦しみ、精神的な苦痛について考慮すべきだと訴えた。また、ガソリンを使用した犯行の残虐性にも言及した。

その一方で、弁護側は冒頭陳述で、死刑制度についての過去の判例を挙げながら、「人を殺すことは悪いことなのに、なぜ死刑が正当化されているのか」「本当に『目には目を』なのか考えて審理してほしい」と疑問を投げかけた。

裁判の行方

これまでの公判では、検察側が被告の完全責任能力を主張し、事件は被告のパーソナリティに基づく犯行だとしている。一方、弁護側は事件当時の被告の精神状態について言及し、心神喪失や耗弱の状態だったと主張している。彼らは無罪や刑の減軽を求めている。

現在の公判は、事件の重大性と被告の責任能力を踏まえ、最終的な量刑が決定される段階に入った。今後の公判での証言や審理を通じて、厳正な判断が下されることを期待したい。

【表でみる】青葉真司被告の孤独な半生

(原文の出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/04cfcd2cd9c0d48ef72f29c40bdbd7fbffc4f54a

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